<なでしこ速報>日本2-5で米国に完敗、連覇逃す!
女子ワールドカップの決勝戦が6日(現地時間5日)、バンクーバーのBCプレイススタジアムで行われ、日本はアメリカに2-5で完敗、連覇を逃した。アメリカは4大会ぶり3度目の優勝。日本は、アメリカの奇襲攻撃に戸惑い開始直後に立て続けに2失点。前半16分までに0-4と主導権を握られた。日本も2点を返す粘りを見せたが、序盤の失点が最後まで響いた。
5万3000人を飲み込んだ会場にUSAコールが響く。カナダの隣国はアメリカ。完全アウェーの雰囲気となった大歓声の中、日本は、魔の時間と言われる開始直後の時間帯に奇襲を仕掛けられた。 前半3分、右のコーナーキックから、ラピノは、高さを活かしたハイボールではなく、グラウンドのボールを入れてきた。日本は意表をつかれた。そこにマークを外して猛スピードで走りこんできたロイドが、左足を合わせて、先制のゴールを揺らした。 そして続く5分、ペナルティエリア右付近で与えてしまったフリーキックから再びゴール前へ速いグラウンダーのボール。それをジョンストンがヒールで流し、つながったボールを、またロイドが飛び上がって右足で合わせてゴール。あまりに手痛い2失点だ。 アメリカは、攻撃の手を緩めない。 14分には、ヒースがゴール前に入れてきたクロスを岩清水がクリアミス。こぼれたボールをフリーになっていたホリデーがダイレクトで右足で蹴りこんで3点目。 16分には、ハーフライン付近でボールを奪うと、GKの海堀のポジションが前にあることを確認したロイドが、度肝を抜く超ロングシュート。必死に下がった海堀が伸ばした右手をあざわらうかのように4点目がゴールポストに当たってネットに転がった。ロイドはハットトリック。 佐々木監督は、「立ち上がりに気をつけなければならない」と試合前に語っていたが、日本はディフェンスの組織を立て直す前に、あまりにも大きな大量失点を喫してしまった。 ベンチスタートとなったが、アメリカの精神支柱である35歳のワンバックは「2011年の7月17日が私たちの原動力になっている」と語っていた。4年前のドイツW杯の決勝。延長戦で1点を先行しながら澤の同点ゴールで追いつかれ、PK戦の末、敗れた試合である。 両者の通算対戦成績は、日本の1勝6分け23敗(PK戦勝利は引き分け)と、アメリカが圧勝しているが、王者のプライドが、その1敗を許さなかった。日本にリベンジを果たすために研究をしつくしてきた。日本がセットプレーでケアしていた高さでなく、グラウンダーのボールを使った前半の奇襲は、それを見事に体現したものだった。