進化し続けるハンバーガー ~なぜ日本人はハンバーガーが好きなのか
1970年代にアメリカからファストフードの理念とともにハンバーガーがやってきてからチェーンストア文化が日本にも定着。グルメバーガ―ブームを経て、今も続々と新店舗が生まれておりハンバーガーは進化し続けている。カジュアルな価格帯のファストフードと単価1000円超えのグルメバーガー店、そしてその間の価格帯の業態と多岐にわたり、本国の米国人が「日本のバーガーが一番おいしい」というまでに成長している。 今や国民食といえる「ハンバーガー」だが、これほど日本人の心をつかんだのはなぜなのか。 今回は、売価1000円超えの価格帯で店内調理業態のハンバーガーをグルメバーガーと称することにする。
今年のトレンドは、スマッシュ、自然派、さらに
パテ、バンズ、それぞれのバリエーションの広がりは、今年も目立っている。 話題性が高いのはスマッシュタイプだ。スマッシュバーガーとは鉄板でパテを焼いている時に、こてで上から押さえつけてパテの厚みを薄くしたバーガーのこと。パテの外側はカリカリと香ばしいのだが、中はジューシーで、表面が硬くコーティングされている分、中の肉汁が閉じ込められている。適度な厚さで食べやすいのだが、満足度はある。 一方で、自然派バーガー(筆者造語)も人気店が続々出ている。肉の代わりに大豆を使ったパテをはじめ、脂身の少ない赤身牛肉や短角牛を使用したパテや、バンズは野菜が練り込まれているもの、グルテンフリーの米粉や、国産小麦を使用しているケースがある。全体としてはビーガン対応、無農薬野菜だけを使用など具材にコンセプトを入れたメニューを出す店は、店舗コンセプトとともに評価につながっている。 自然派バーガー店の中には、商品だけではなく、店内に観葉植物を多く置いて店舗全体に「癒やし系カフェ」「自然派カフェ」のようなイメージを作っている店もある。
チキンバーガーはハンバーガーなのか バーガーのバリエーションの広がり
今年の4月に、韓国国内で店舗数1位の1421店舗(2024年2月時点)を構えるバーガーチェーン「MOM’S TOUCH(マムズタッチ)」が、東京の渋谷にオープンした。マムズタッチはチキンバーガーの専門店で、4月中は予約制だが、2週間では計1万3000人が予約したという。 揚げたチキンは外側がパリパリと香ばしく中はジューシーで、ソースに韓国のコチュジャン味噌を使用した商品もあり、韓国カラーも感じられて米国発のハンバーガーとは一線を画している。 しかし、中身はパテではなくチキンの唐揚げだ。これも「ハンバーガー」なのだろうか。 ケンタッキー・フライド・チキンの揚げたチキンをバンズではさんだ商品の「チキンフィレサンド」は、12年続いたその名前を、2022年に「チキンフィレバーガー」に変更している。やはりサンドよりバーガーのほうが親和性が高いと考えたからだろう。 そのほか、変わりどころとして、パテをバンズではなくトーストした食パンで挟んだバーガー店、東京の代々木「BAKERY & BURGER JB’s TOKYO」もある。やはり「ハンバーグサンド」ではなく「バーガー」として販売している。