悲願達成のジョコビッチが今後の戦い方について言及「僕の優先事項は四大大会と代表チームの試合だけ」<SMASH>
現在開催中の男子テニス国別対抗戦「デビスカップ・ワールドグループ(WG)1部」(9月14日~15日/セルビア・ベオグラード/ハードコート)に出場している世界ランク4位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)が、初日の試合後の記者会見に登場し、自身の“優先事項”について語った。 【画像】2024年パリオリンピックのテニス競技メダリストたち 前回覇者として参戦した今季最後の四大大会「全米オープン」(アメリカ・ニューヨーク)でまさかの3回戦敗退を喫した37歳は、母国開催である今回のデビスカップが全米後初の大会出場。しばしの休息でリフレッシュできたのか、初日のシングルスでは相手を全く寄せ付けない素晴らしいプレーを披露した。 ジョコビッチ擁するセルビアはギリシャと対戦。試合は2日間にわたり、初日の14日にシングルス2試合、2日目の15日にダブルス1試合とシングルス2試合を実施し、先に3勝した方が勝ちとなる。 初日のシングルス第1試合ではミオミル・ケツマノビッチ(世界ランク53位)がアリストテリス・タノス(同713位)に6-3、6-3で快勝。第2試合ではエースのジョコビッチがイオアニス・シラス(同770位)に6-0、6-1で圧勝し、見事2勝を挙げてチームの勝利に王手をかけた。なお現時点でジョコビッチは15日のシングルス第1試合にも登場する予定だ。 試合時間わずか45分という圧巻のパフォーマンスを見せたジョコビッチは、母国のコートで国を代表して戦う意義を問われ、デビスカップが2019年にホーム&アウェー方式を撤廃したことを踏まえてこう回答した。 「何も言う必要はない。行動こそがものを言う。僕の代表チームへのコミットメントが全てを物語っていると思う。新しい大会フォーマットでは、ホーム会場でプレーする機会が減った。最後にプレーしたのは7年前だったかな」 今季はパリ五輪で悲願の金メダルを獲得したジョコビッチだが、ツアーでは四大大会を含め、ここまでは優勝が1度もない。現在は上位8人が出場権を獲得できるシーズン最終戦「ATPファイナルズ」(11月10日~17日/イタリア・トリノ/ハードコート)のレースランキングも圏外(9位)となっているが、数々の輝かしい功績を手中に収めてきたジョコビッチにとっては、順位もファイナルズ出場ももはや優先事項ではないようだ。 「上海マスターズ(中国・上海/10月2日~13日/ハード/ATP1000)の後はいつプレーするかわからない。僕の目標はそこで決勝に進むことではないし、もうそういう類の大会は僕の中では終わっている。僕の優先事項は四大大会と代表チームの試合だけだ」 「ファイナルズ出場やランキングのトップに立つことも、もはや目標ではない。今年のうちに決勝に行けるのか、それが来年になるかはわからないが、今自分に最も必要なのは肉体的、精神的、そして感情の面での休息だ。それから自分のキャリアにおいて次に何が来るのか、どれだけ長くプレーしたいのか、どこでプレーしたいのかを決めるつもりだ」 あまり考えたくはないが、近いうちでの引退も頭をよぎり始めているのかもしれない。できればまだまだプレーを続けてほしいものだが…ひとまずは今後のジョコビッチの動向をじっくりと見守っていきたい。 文●中村光佑