「まるでフォアグラ」な鶏レバーを使用 フレッシュネス、新バーガー投入の狙い
フレッシュネスが運営するハンバーガーチェーン「フレッシュネスバーガー」は12月4日、鶏レバーで再現したフォアグラの代替食品「グラフォア」を用いた「神戸牛グラフォアバーガー」を発売する。2014年から同社が「冬の定番」として展開する「ブランド和牛バーガーシリーズ」のラインアップとして投入。新たな食材を採用することで特別感を打ち出す狙いがある。 【画像】「まるでフォアグラ」な食材「グラフォア」を使った新バーガー、どんなメニューになった?(計7枚)
日本ハムが代替食品として開発
神戸牛グラフォアバーガーは、神戸牛を使用したパティにグラフォアを重ねたハンバーガー。フランス料理の一種であるロッシーニ(牛肉とフォアグラを組み合わせ、トリュフを散らした料理)をイメージして開発したという。 フォアグラはアヒルやガチョウに強制的に大量の餌を与え、肝臓を肥大させるという生産方法が国際的に批判を受けており、生産を禁止する国・地域が増加傾向にある。日本ハムは「フォアグラ料理自体の食文化がなくなってしまうという危機感」から、2022年にグラフォアの開発に着手。「フォアグラの常識をひっくり返す」という意味を込めて「グラフォア」と名付けた。 原材料は冬場に需要が減る鶏レバーに着目。ペースト状にした鶏レバーに複数の種類の油を混ぜ込み、ブロック状に成形することで、フォアグラの味と見た目を再現した。応援購入サービスサイトのMakuakeで2023年3月にテスト販売したところ、想定していた販売目標(50万円)をわずか1日で達成した。 現在は飲食店やホテル向けに提供しているほか、スーパーやECサイトでも販売している。主なターゲットはサステナビリティに関心を持つ消費者で、「アニマルウェルフェア(動物に対し、人間が与えるストレスや身体的苦痛を最小限に抑えること。動物福祉)の観点で評価して下さる声が非常に多い」と日本ハムの担当者は話す。価格は「本物のフォアグラの3分の1程度」に抑えており、ECサイトで3218円(4個セット)から販売。下処理が不要なことから、本物のフォアグラよりも手軽に調理できる点もメリットだという。
「特別感」をアピール
フレッシュネスではグラフォアを「社会課題の解決」という観点のほか、「ブランド和牛バーガーシリーズ」の10周年に当たって特別感を演出する狙いから採用。一般家庭の食事では縁遠い食品の味を、手軽に楽しめる商品として訴求したい考えだ。 フレッシュネスバーガーでは、5回目の発売となる「神戸牛バーガー」(950円)と「神戸牛チーズバーガー」(1050円)も投入。いずれも12月4日から2月4日まで、全国のフレッシュネスバーガー約150店舗で販売する。世に出たばかりの代替食品を使用した神戸牛グラフォアバーガーは、消費者の支持を得られるか。
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