仙台レンタル3年目に“ゴリさん”のもとで飛躍したFW中島元彦、PO決勝敗退に「戦えている選手が少なかった」
[12.7 J1昇格プレーオフ決勝 岡山 2-0 仙台 Cスタ] 昨季J2リーグ16位による下馬評を覆してJ1昇格プレーオフに辿り着き、準決勝では3位の長崎も破ったベガルタ仙台だったが、最後はあと一歩のところでJ1昇格に届かなかった。岡山に敗れた決勝戦後、エースのFW中島元彦は「全てが足りなかった。大事な場面で萎縮してしまう選手もいたし、それでは勝てない」と厳しい言葉を口にした。 【動画】アウェー中国戦の裏で起きていた珍事…日本代表FWがSNS上の声に反応「わざと」 敵地のスタジアム外にも大勢集まったサポーターの大声援に後押しされ、迎えたプレーオフ決勝。立ち上がりは勢いよく試合に入った仙台だったが、前半は大事な局面でのミスが続き、攻撃の流れに乗れないまま時間が過ぎていった。そして20分、相手のクロスが流れてゴールに吸い込まれるという形で失点。不運は不運だったが、仙台らしい迫力ある攻守の切り替えを継続できなかったことが悔やまれた。 中島はその戦いぶりを「そんなにチャンスというチャンスは作れていなかったし、岡山のディフェンス陣がは自分たちからしても気迫あふれるプレーだったし、気持ちも入っていた。逆に自分たちがそれをしていたかというと、戦えている選手が少なかった」と総括。「自分が言葉をかけてプレーさせることもできるけど、それで萎縮してしまう選手もいる。もっと良い声かけがあったのかなとは思う。ただチームとして未熟だった」と厳しく振り返った。 また後半はFWオナイウ情滋の投入により、入りから立て続けに決定機を迎えたが、中島のボレーシュートが枠を外れるなど追加点は得られず。逆に後半16分、相手の交代選手FWルカオに押し負け、絶望的な2点目を決められた。中島は「シーズン通して大事な時間にゴールを取ることが課題だった。そこで得点できなかったのが敗因だし、あそこで追加点を決めた岡山の勝負強さが試合の決め手になった」と責任を背負った。 C大阪からの期限付き移籍3年目の中島は今季、自身キャリアハイの13ゴールを記録。“ゴリさん”の愛称で知られる就任1年目の森山佳郎監督のもと、飛躍のシーズンを過ごしてきた。 「昨シーズン残留争いをしていた中でゴリさん(森山監督)が来て、チームを一新しようという気持ちもあったし、根本的なサッカー選手としてというところも教わった。それがあったから自分が結果を残せたのも事実。自分としては充実していたけど、ゴリさんを喜ばせてあげられなかったのが悔しい」 保有権はC大阪にあるため、来季の去就については「この試合にかけてやってきたので、もうちょっと考える時間が必要」と留保。それでも恩師となった指揮官には「サッカー選手としてシーズンが進んでいくにつれて歳も重ねて行って、大事な部分を見失い時もあったし、サッカー選手として何気ない1日がどれだけ大事かを教えてもらった」と感謝を口にした。