中国人民銀が国債価格上昇に不快感、金融機関に警告-相場は反落
(ブルームバーグ): 中国人民銀行(中央銀行)が、記録的な国債相場の上昇に数カ月ぶりに不快感を表明した。これにより相場は反落した。
人民銀行は債券市場の「激しいトレーディング」に関与する金融機関に対し、金利市場などでの関連リスクに細心の注意を払うよう促した。人民銀系の金融時報が18日、匿名の関係者の話として報じた。
報道を受け、10年物中国国債利回りは一時4ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇し1.77%となった。その後、上昇幅は1bpに縮小した。ただ、同利回りは週初に過去最低を付けていた。30年物国債先物は9月以来となる1.8%安まで売られたが、下げを縮小し、0.6%安となった。
米国との貿易戦争が激化するリスクが高まっているため中国の指導部が大規模な景気支援策を来年打ち出すとの見方から、トレーダーは中国国債を買い進めている。同国債利回りの低下は中国が日本型のバランスシート不況に向かっているとの懸念も強める一方で、米国債との利回り差は拡大し、人民元相場を大きく圧迫している。
「市場は最終的に来年の利下げを40-50bpと織り込むだろうと思うが、当局は恐らく現在の動きをあまりに急速で急激だと見なすだろう」とBNPパリバの大中華圏外国為替・金利戦略責任者、王菊氏は述べた。
人民銀は国債相場の上昇を抑えようと、今年に入り口先介入を繰り返している。また、債券投資家に措置を講じたり、長期債を売却したりもした。それでも、まだら模様の景気回復や景気支援策を巡る失望などが、国債価格を押し上げている。
ソシエテ・ジェネラルのマクロストラテジスト、キヨン・ソン氏(香港在勤)は、「中国国債は容赦のない上昇を続けていたため、利益確定の機会になったのかもしれない」と指摘しつつ、「人民銀の警告でトレンドが変わることはなさそうだ」との認識を示した。
原題:China Pushes Back Against Bond Frenzy, Sends Yields Climbing(抜粋)