2025年はロシア経済にとって苦難の年になる…複数のエコノミストが予測(海外)
経済成長の鈍化
ロシアの2025年の経済成長は予想を下回ると見込まれている。国際通貨基金(IMF)は、2024年10月の世界経済見通し(World Economic Outlook:WEO)で、ロシアのGDP(国内総生産)成長率予測を1.5%から1.3%に引き下げた。 「全体的な成長は非常に遅くなるだろう」と、フィンランド銀行新興経済研究所(Bank of Finland Institute for Emerging Economies)の研究責任者であるイッカ・コルホネン(Iikka Korhonen)はBusiness Insiderに話す。 だが彼は、「ロシア政府が軍事生産に必要な資源を確保するだろう」と話している。 「しかし、多くのセクターはおそらく縮小するだろう」 ウォール・ストリート・ジャーナル(Wall Street Journal)によると、2024年11月にロシアの大手銀行ガスプロムバンク(Gazprombank)や他の金融機関へ実行されたアメリカの制裁によってルーブルが急落した。また企業は将来の成長を目指した事業拡大や投資の計画を大きく縮小したり中止している。 報道によると、ロシアでは200以上のショッピングセンターが債務負担の増加によって倒産の危機に直面しており、ロシアの貨物輸送業者のほぼ3分の1が2025年に倒産の怖れがあるという。 ロシア最大の携帯電話事業者であるMTSも、2024年第3四半期の純利益がほぼ90%減少した原因として、利息支払いに関連するコストを挙げている。 「エリートたちは生き残りをかけて戦っており、プーチンには忠実であり続けているものの、彼らの不満は増している」と、元ロシア連邦中央銀行(Central Bank of the Russian Federation)の職員であり、現在はドイツ・ベルリンにある非政府組織、カーネギー・ロシア・ユーラシア・センター(Carnegie Russia Eurasia Center)のフェローであるアレクサンドラ・プロコペンコ(Alexandra Prokopenko)はウォール・ストリート・ジャーナルに話している。 実際、最近数カ月間にロシアのCEOやビジネスリーダーたちは、金利引き上げや西側の制裁に対する非難を強めている。 2024年10月末、防衛関連の事業のコングロマリットであるロステ(Roste)のCEOセルゲイ・チェメゾフ(Sergei Chemezov)は、高金利が企業を利益を上げるのに苦しませているとロシアの上院議員たちに語った。