藤原ヒロシは「リバイバルブーム」をどう見ている? 長年続くラジオへの思いも聞いた
リバイバルブームをどう見ているか?
──今後、「こんなラジオだったら聴いてみたい」と思うような番組はありますか? うーん、やっぱり音楽じゃないですかね。今はジャンルがたくさんあるから難しいかもしれないけど、自分が好きなジャンルや新譜がたくさんかかるラジオなら聴いてみたい。最近だと、ベットルームポップというのかな、インディーポップは好きですね。 ──新しい情報はサブスクなどで拾ってらっしゃるんですか? 僕は、サブスクは使ってないんですよ。Spotifyにも登録していないし、購入しています。新しい音楽は、友だちとのLINEグループがあって、そこで教えてもらったりしますね。 ──リスナーの感覚としては、サブスクが一般的になったからこそ、ラジオから流れてくる音楽や人に勧められる音楽の重要度が増しているような気もします。 そうですね。僕のラジオがその一翼を担えたらいいなと思います。 ──Spotifyだと、藤原さんが過去に担当していた番組『MELLOW MADNESS』でオンエアされた楽曲をプレイリストにまとめている方がいました。 そうなんですか? それはありがたいですね。 過去のものっていいものがたくさんあるし、J-WAVEでもかかりますよね。そうすると新しい音楽が埋もれてしまう恐れもあるから、僕は新しい曲を聴きたいし、流したいと思っています。僕も気を抜いちゃうと過去の曲ばかり聴いてしまうところがあるから、意識的に新しいものを聴いていきたい。 ──ここ最近は、過去に流行したものや時代そのものがリバイバルしている流れもあると思うんですが、藤原さんはそういった文化の循環に対してどのように考えていますか? 僕らが90年代のものを聴くのはいいんだけど、もう一度発表するとか、「いいよね」と言うのは懐古主義でつまらない。同じいいものでも、僕が言う「いいね」と10代の子たちが言う「いいね」では意味が異なると思うので、10代の子たちの思う良さを重要視してあげたほうがいいなと思います。逆に僕は新しいものを聴きたいし、発信していきたい。もちろんそこで古いものを絡めて発信できたらいい。たぶん、こういう風に考えている人は多いんじゃないかな。 ──改めて、ラジオを通じて時代の移り変わりを感じたりすることはありますか? ラジオそのもので言うと、昔は局によって差がけっこうあったけれど、今はそれがどうかな? と思いますね。J-WAVEも昔はもっと音楽寄りだった印象があるけど、今はわりとAMに近づいているというか、僕もエッセイのような感じで話しているし。個人的にはもう少し局によって差が出てもいいのかなと思います。 今はいい具合に中和されちゃいましたよね。いい音楽も流れて、喋りもたくさんあって。昔はつまらない音楽も流れていた時間とか、喋りが全くない番組とかもあった。 ──なるほど。 今はどうかわからないけど、昔よくNYに行ってた頃は、そのラジオ局でしかかからないバージョンの曲がたくさんあったりしたんですよ。レコードやCDで発表されていない、ラジオ局が作ったミックスみたいなものがあった。だからそういう、J-WAVEでしかかからない曲やミックスがあってもおもしろいと思う。音楽に詳しいスタッフさんも多いじゃないですか。たとえば、『SAISON CARD TOKIO HOT 100』の上位10曲で、J-WAVE MIXバージョンをたまに流したりしたらおもしろいですよね。