全キャリアを捧げたレアル・マドリードを去るナチョ「毎シーズン、ゼロからのスタートだった」「もっと起用されるべきとも感じた」|ラ・リーガ
レアル・マドリードを退団して、サウジ・アラビアのアル・カーディシーヤに加入することが決定したスペイン代表DFナチョ・フェルナンデスが、現在の心境を語っている。 ナチョは28日にアル・カーディシーヤに加入することが正式に発表された。発表後、スペイン『カデナ・コペ』とのインタビューに応じた同選手は、今季をレアル・マドリードで過ごす最後のシーズンにすると決めていたこと、それでも迷いがあったことを告白している。 「僕の考えは明白だった。今季が最後のシーズンになることは分かっていたんだ。ただ物事がうまくいけば迷いが生まれる。それでもその迷いによって自分の頭にあること、つまり新しい経験をするということを取り払いたくなかった。僕は幸せで、すべてに感謝しているよ」 「この数カ月間、迷いはあったんだ。自分の家から出ていくわけだからね。これまでの人生でずっと練習してきた場所から去るわけだし、簡単な決断だったと言えば嘘になるだろう。眠れないことだって何度もあったよ。それでも決断を下すときには自信を持ってそうしなくてはいけない。家から去るの辛いが、僕には全力を尽くしたという満足感がある。それに、新しい日々を必要としていたわけだからね」 2011年にレアル・マドリードのトップチームでデビューして以降、絶対的なレギュラーになることはなかったものの、深いクラブ愛を抱えるがゆえのたゆまぬ努力、献身的姿勢によって、出場機会を得れば期待に応えてきたナチョ。しかしどれだけ活躍しても、ベンチ要員からシーズンをスタートすることには辛さも感じていたようだ。 「毎シーズン、ゼロからスタートするような感覚があった。すでに示したことをもう一度示すための心構えをしているようなね。自分がそうやって毎シーズン準備ができていると示したこと、全力を尽くせたことには満足しているよ。本当に誇り高いし、感謝もしているんだ」 「自分がもっと出場機会を得るに値すると考えたこともあった。だけど、それは僕だけでなくフットボール界の多くの選手が経験することだ。僕たちは、エゴイストなんだよ。自分がチームメートより優れていると示したにもかかわらず、次の試合で出場できないこともあった。僕のキャリア、僕の人生は総じてそういうものだったけど、フットボール史のどんな選手とも交換したくはないね」 チャンピオンズリーグ準々決勝マンチェスター・シティ戦のファーストレグで、カルロ・アンチェロッティ監督はナチョではなくMFオーレリアン・チュアメニをセンターバックとして起用したが、そうした扱いに不満を持っていたのだろうか。 「それも自分の決断に影響し得るけど、だけどその日に決めたわけじゃない。その前からクラブと自分の決断について話していたんだ」 「チュアメニがセンターバックとプレーしたバレンシア戦で、自分が体に問題を抱えていたことを思い出す。選手や監督が知っていることをメディアや人々が把握していないなんて、ざらにあることさ。ただ、確かにシティ戦で、僕を差し置いて彼がプレーしたことに不快な気持ちを覚えていたかもしれない。そのことは否定しないよ。自分は野心にあふれた選手で、毎試合プレーしたいわけだからね」 「でも、だからレアル・マドリードを去ると決めたわけじゃない。僕とアンチェロッティの関係は素晴らしいし、彼がいたからこそキャリア最高のプレーを見せることができたんだ」 ナチョは今季、レアル・マドリードのキャプテンとしてラ・リーガとチャンピオンズリーグのトロフィーを掲げている。 「夢見たようなキャリアの終わりだね。キャプテンとして、レギュラーとしてチャンピオンズのトロフィーを頭上に掲げることができた。僕は本当に恵まれているし、信じられないような経験をさせてもらったよ」