米政府債務は持続不可能-100万通りのシミュレーションで結論は一つ
米国の債務危機を想像するのは難しい。ドルは依然として世界の基軸通貨だ。毎年恒例となっている政府機関閉鎖の瀬戸際作戦という見苦しい光景も今は、米国債市場にほとんど波紋をもたらさない。
それでも世界は変わりつつある。中国をはじめとする新興国市場は、貿易の送り状、国境を越えた資金調達、外貨準備におけるドルの役割を侵食しつつある。
米国債市場に占める海外の購入者の割合は確実に縮小しており、増え続ける連邦債務に対する国内購入者の購買意欲が試されている。最近では連邦準備制度による金利引き下げ期待に支えられ米国債への需要が高まっているが、この力学が常に働くとは限らない。
1970年代に経済諮問委員会(CEA)の委員長を務めたハーバート・スタイン氏は「何かが永遠に続かないなら、それは止まるだろう」と述べている。
米国が財政再建を果たさなければ、将来の米大統領はこの格言の真理を確認することになるだろう。そして、世界の安全資産に対する信頼が消失すれば、誰もがその結果に苦しむことになる。
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原題:A Million Simulations, One Verdict for US – Debt Danger Ahead(抜粋)
--取材協力:Jamie Rush、Phil Kuntz、Viktoria Dendrinou.
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Bhargavi Sakthivel, Maeva Cousin, David Wilcox