インハイ予選8強の富士東、粘る桐陽を退け3回戦へ
10月5日、第103回全国高校サッカー選手権静岡予選1次予選・2回戦が県内各地で行われた。令和6年度全国高校サッカーインターハイ(総体)静岡予選で40年ぶりの8強入りを果たした富士東が桐陽と対戦、2-1で勝利を収め3回戦進出を決めた。 【フォトギャラリー】富士東 vs 桐陽 前日から降り続く雨でぬかるむグラウンドコンディションの中、試合は富士東ボールでキックオフ。互いにボールを奪い合う展開で幕を開けたゲームは20分、枠は捉えきれなかったもののFW9秋山丞のシュートをきっかけに流れが桐陽に傾き始める。28分にはFKからDF2川口駿登がヘディングで合わせるが枠外。直後の29分にはワンツーで抜け出した秋山がGKと1対1の局面を迎えるが、ボールは正面をつき先制とはならない。 すると37分、FW11花井晃太朗のパスから相手DFの裏に抜け出したMF8坂部加遥が、飛び出したGKの頭上を落ち着いて浮かせて先制。富士東が前半を1点のリードで折り返す。 「戦えている。ウチの武器の速い両サイドを使おうよ。取るしかないから全員で(点を取りに)行こう」(鈴木伸幸監督)とハーフタイムに鼓舞された桐陽イレブンは、キャプテンのMF6安藤悠真が中盤でボールを刈り取ると素早く前線へ展開し、秋山そしてMF10伊藤太陽らにゴールを託す。しかし「慌てないでしっかり守ろう。ボールを繋ぐのがお前たちの良さ」と増田裕監督から送り出された1点をリードする富士東も安定した守備でこれに対応すると68分、自陣からのロングフィードを花井がチョコンと相手の裏にヒールで流すと反応よく2列目から飛び出した坂部がGKとの1対1をここでも制し、ボール右隅に流し込み追加点を挙げる。 2点を追いかける展開となった桐陽も必死の反撃を試みると78分、左サイドからリスタートをPA前へ繋ぐと、このボールを伊藤がゴール左隅に沈めその差は1点に。しかし、キャプテンのDF10冨永悠太を中心に締め直しを図った富士東にその後を抑え込まれジ・エンド。結局、2-1で逃げ切った富士東が、シード校・清水東が待つ3回戦へ進出を決めた。 試合後、増田監督は「序盤の決定機を外して向こうのペースになりましたが、相手をゼロで抑えていく中で、エースが1点を取ってくれたのは大きかった。最後は余分な1失点はありましたが、後半はほぼゲームプランでした」と笑顔で選手を讃えた。次戦に向けては「次は清水東ですから、胸を借りるつもりで名前負けしないように挑戦者として臨みたいです」と意気込みを見せた。 「ピッチ内のもう一人の監督」と指揮官も絶大な信頼を寄せる冨永は「勝てて嬉しいです」と笑顔を見せると「(1失点の)詰めの甘いところを今週一週間で無くしていけるようにしていきたいです。相手は格上ですが、全員攻撃と全員守備で戦いたい」と意気込んだ。 2得点の坂部は「相手の攻撃に守備が耐えてくれて、カウンターから2点を取れて良かったです」と試合を振り返ると「相手は格上ですごく良いサッカーしてくるので、一週間相手のことを考えながら良い準備をして試合に臨みたいです」と次戦に気持ちを切り替えていた。 (文・写真=西山和広)