「すごい日本人ガードがいる」天才高校生・河村勇輝はなぜNBAと契約できたのか? 着実な5年間、172cmだからこそ“第一印象”が大事だった
「もう1年、日本でやる」冷静で聡明な決断
「まずひとつは、自分の中でオリンピックを目標として大学も中退したっていうのがありましたし、直近ではパリオリンピックに出るっていうのが僕の夢だったので。そのための最善の(方法を選んだ)。それが全ての理由ではないですけど、日本でしっかりと身体を作ったりとか、もう1年日本でやることで、パリオリンピックで最高の自分としてプレーできるんじゃないかなって思って、ああいった決断になりました」 NBA挑戦という意味でも“第一印象”は大事だ。NBAチームにとって、たとえ国際大会などで何度もスカウティングしている選手であっても、実際にNBAというステージに立ったときにどれだけできるかは未知数だ。最初にNBAの舞台にたったときに力を出せなくても辛抱強く成長を見守ってくれるケースもあるが、河村のようにサイズが小さいというハンディを持つ選手にとっては、第一印象でどれだけ相手の不安を吹き飛ばすことができるかというのは重要だった。 その点、グリズリーズのキャンプやプレシーズンでの河村は十分に合格点のプレーをした。 プレシーズンゲーム初戦からポイントガードとしてチームをコントロールし、ドリブルで大男の中に割って入り、冷静にあいている味方にパスを出した。ディフェンスでも相手に張り付き、高さでは及ばずとも相手のプレッシャーをしっかり身体で受け止める。Bリーグで戦っているときのような落ち着きがあった。特に10月14日のインディアナ・ペイサーズ戦では、10点、7アシスト、1スティールをあげ、中にはNBA中をバズらせるようなスーパーアシストも見せた。 「(プレシーズンでコートに立って)緊張はもちろんしていました。やっぱり自分の目指してた場所ではあったので。プレシーズンであれ、NBAのコートで、NBAの選手たちと戦えたことはものすごくありがたい機会だなっていうふうに思います。ま、でも、やっぱりオリンピックだったりワールドカップを通じて世界レベルの選手とマッチアップっていうのは経験してきましたし、そういった意味ではコートに入って緊張が解けてからは、特に焦るようなことはなく、冷静でいられたかなと思います」
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