高畑充希、たくましいヒロインから過保護の娘まで、幅広い演技力の原点
高畑充希がキテいる。主演の連ドラ「過保護のカホコ」(日本テレビ系)が12日からスタート、初回の平均視聴率は11.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)とまずまずの滑り出し。ブルゾンちえみのネタをコピーしつつセクシーさを前面に押し出したNTTドコモのテレビCMも、“ブルゾンみつき”として話題を呼んでいる。いま注目を集める若手女優の一人といえるだろう。その魅力はどこにあるのか。
たくましい「とと姉ちゃん」から過保護な娘役まで、幅広い演技力
一年前のNHK朝ドラ「とと姉ちゃん」に主演、大ヒットした前作「あさが来た」に勝るとも劣らない人気を獲得したのが現在の活躍の助走となった。「とと姉ちゃん」は全話の放送期間中の平均視聴率が22.8%(同)と、今世紀の朝ドラ作品中で「あさが来た」の23.5%、「さくら」の23.3%(同)に次ぐ3位をマーク。前作「あさが来た」の大人気はプレッシャーになったはずだが、早世した父に代わって母や2人の妹との暮らしを守るため激動の時代を生き抜いたヒロイン・常子を好演、朝ドラ史上に残るヒット作となった。 「過保護のカホコ」ではそんなたくましいヒロイン像から一転、一人称は自分の名前でママがいないと何もできないというとんでもなくダメな女子を快演(はたまた怪演?)している。ひとつの殻のなかで並ぶピーナッツのごとく仲のよすぎる母娘のことを、ピーナッツ親子と言うそうだが、まさにそのもの。そして前述のCMでは“ブルゾンみつき”をセクシーに熱演と、どんな役でも幅広くこなせそうな確かな演技力が期待できる。
小学生の頃から舞台女優を志す
舞台好きな両親の受けて、小学生のころから舞台女優を志していたという高畑。「オペラ座の怪人」や蜷川幸雄作品に親しみ、音楽も「レ・ミゼラブル」をはじめ、ミュージカルのサントラを好んで聴いていたそうだ。 芸能界に入ってからも、所属事務所ホリプロ制作で日本でもおなじみのミュージカル「ピーターパン」で、2007年から約5年に渡って主役を務めたのはよく知られている。映像作品にも多数出演しているが、最近ではその積み重ねが一気に花開いた感がある。音楽劇「青い種子は太陽のなかにある」(16)、ミュージカル「わたしは真悟」(17)ではヒロインを演じ、少女のような愛らしいルックスと瞬きさえも拒みたくなる演技、そしてどこまでも奥行のある艶やかな歌声で観客を魅了した。女優・高畑充希をもっと深く知るには、ぜひ一度舞台に足を運んでほしい。 2016年公開の作品を対象とした第40回日本アカデミー賞で新人俳優賞、第26回日本映画批評家大賞で新人女優賞に輝いた。いずれも映画「植物図鑑 運命の恋、ひろいました」での演技が評価されてのものだ。また、エランドール賞でも同作のほか「怒り」「とと姉ちゃん」など数作を対象に評価され新人賞を受賞、橋田賞では「とと姉ちゃん」で新人賞。Yahoo!検索大賞2016でも女優部門賞を受賞している。