坂本冬美(57)デビュー15年で突然休業の真相「本当は引退するつもりだった」決意をひるがえした恩師の「歌声」
19歳でのデビュー以来、演歌歌手として華やかなキャリアを歩んできた坂本冬美さんですが、2002年に1年間、芸能活動を休業。その背景には、大切な人の死がありました。当時はその死を受け入れ、自分の心をゆっくりと癒やす時間が必要だったといいます。 【画像】とびきりの笑顔!故・八代亜紀さんと坂本さんのツーショットから妖艶なコスプレ姿まで(全18枚)
■あまりにも突然だった父の死「どんな言葉も耳に届かなかった」 ── 休業された当時の状況を伺ってもいいでしょうか? 坂本さん:デビュー11年目の1997年に、父が交通事故で亡くなったんです。釣りに行くと言って出かけたまま、車ごと海に消えてしまいました。あまりに突然の別れに、やり場のない悲しみが押し寄せ、周囲の慰めや励ましの言葉もいっさい耳に届かない状態でした。
とはいえ、3年先までスケジュールがぎっしり詰まっていたので、休むわけにはいきません。なんとか気持ちを奮い立たせてステージに立っていたものの、父の死を受け入れることができていない状態で人生の応援歌を歌うことが苦しくなってしまったんです。 愛する人を突然亡くすということは、時が解決してくれる部分もありますが、やはり、悲しみや苦しみといったものは、ずっとどこかで引きずってしまうものだと思うんです。父を亡くして寂しそうな母をひとりで置いておくのも心苦しく、時間の許す限り、実家に戻っていましたね。
── ご自身の半生を描いた漫画のなかで、ご実家に心ない電話がかかってきた場面が描かれていましたね。読んでいて胸が苦しくなりました。 坂本さん:やっぱりこういう仕事をしていると、なかには、私に対して反感を持つ方もいらっしゃるのでしょうね。父を亡くして実家に戻っていたときに、知らない番号から電話がかかってきて、「ざまあみろ」と、言われたことがありました。 ── 胸をえぐるような言葉ですね…。 坂本さん:さすがにこたえました。張り詰めていた糸がプツリと切れてしまった感じでしたね。たまたま私が電話を受けたからまだよかったものの、母が取っていたらと思うと…ゾッとします。