令和の子どもたちが「コイン収集」に熱中する理由 “貨幣系YouTuber”は大人気で、専門知識は「中学受験にも役立つ」
子どものコインコレクターが増加中!?
昔から“コレクションの王様”といわれているのが切手とコインだろう。最近ではトレーディングカードなども挙げられるかもしれない。 【ブーム再来】令和の子供たちが胸を熱くするコイン 筆者はコインのコレクターなのだが、昔はどちらかと言えばオジサンの趣味というイメージが強かった。実際、子どもの頃にコインのイベントなどに行っても、会場で品定めをしているのは年配の男性ばかりだった。
ところが、最近、そんなコインコレクターの界隈に異変が生じている。コインのイベントに向かうと、明らかに子どもの姿が目に付くようになったのだ。都内のコインショップの店頭にも、親子連れの姿が見られるようになったのである。 「来店されるお子さんは、この1~2年で急に増えましたね。今年の夏休みは本当に多かったですよ」と語るのは、東京の銀座に店を構える「銀座コイン」の竹内三浩さんである。竹内さんは、子どものコレクターが増えている要因をこう分析する。 「何といっても、コインを扱うYouTuberが増えたことだと思います。特に、貨幣系YouTuberのみんみんさんは10万人もフォロワーがいますし、1本の動画が数万回再生されることもありますから、影響力は大きいでしょう。先日開催されたコインのイベントにもみんみんさんが出演していましたが、彼が目当てと思われる子どもたちの姿が本当に多かったです。業界としては本当にありがたい限りですね(笑)」
子どもの間で銀貨が大人気
筆者も近年、子ども、特に10代のコインコレクターの増加を感じることが多い。というのも、XなどのSNSには、プロフィールから高校生や10代とわかるコレクターが多く見られ、彼らはSNSでコインの情報を交換しながら、コレクションを披露しあっているのだ。 そうした兆候はコイン商のスタッフも実感しているそうだ。銀座コインは数百万円、数千万円のコインも扱う熟練のコレクター御用達の店だが、今年の夏は子どもたちが店を訪れては、スタッフを“質問攻め”にする光景が見られたという。では、子どもたちの間ではどんなコインが人気なのだろうか。竹内さんに聞いた。 「もちろん、何十万円もする金貨を買える子どもは滅多にいませんので、必然的に数百円~数千円で買える銅貨や銀貨が中心になります。とはいえ、明治~昭和の時代に発行された銀貨には、数千円で買えるものもあるんですよ。お年玉で十分に手に入れることができますし、やっぱり“銀”は特別なイメージがありますから、人気を呼んでいますね」 実際、明治~大正時代に発行されていた50銭銀貨が、銀座コインでは数千円で手が届く。さらに、少し小遣いをためれば、コレクターの間で“円銀”と呼ばれて人気の高い新1円銀貨も1万円台で手にすることができる。新1円銀貨はサイズも大きく重量感もあり、何よりデザインが素晴らしいため、所有欲を高めてくれるコインだ。