最近あった“スケール”がデカい発見 5選
物理的な大きさ、規模感、量、タイムスケール。「スケール」にもいろいろあります。 2024年前半、科学技術分野であった「いろんな意味で大きい発見」を4つほど、紹介しましょう。 【全画像をみる】最近あった“スケール”がデカい発見 5選
1. 世界一高いビルの2倍の高さの海底山
チリ沖の海底から新たに4つの海山が見つかりました。 今回発見された海山の高さは5,220フィート(1,591m)から、なんと8,796フィート(2,681m)と推測。ちなみに、世界でもっとも高いビルであるドバイのブルジュ・ハリファはその半分の高さで、2,717フィート(828m)です。 ブルジュ・ハリファより遥かに高い海山が海底に存在するということ…。海って深い。 海底の75%はまだマッピングされておらず、解明されるべきことはまだまだたくさんあります。海洋地図は、地球を理解し、ひいては(地球の)保全と持続可能なマネジメントを確実にするためにも非常に重要だと考えています。 と、10年後までに海底を完全にマッピングするすることを目指す「Seabed 2030」のプロジェクトディレクターのジェイミー・マクマイケル・フィリップス氏は語ります。
2. ジャングルに潜む2,500年前の古代都市がレーダー技術で発見される
自動運転車やスマホに入ってるLiDAR(Light Detection and Ranging=光検出と測距)。レーザーを飛ばし、それが障害物に当たって跳ね返ってくる時間を測ることで、道路上の障害物からカメラの被写体まで、いろんな物との距離や立体的な形を把握できます。 LiDARは考古学でもその威力を発揮して、いろんな遺跡の発見や調査に役立ってます。最近南米エクアドルのアマゾン流域では、熱帯雨林の下に隠れた大規模な都市の遺跡が発見されました。 今回Scienceに掲載された論文には、エクアドルのウパノ地域に点在する巨大プラットフォームや広場、街路や道路、農業用排水路などが報告されています。道路システムは「数十kmにも及び、異なる中心的都市部を結び、地域規模のネットワークを形成していた」とあります。この遺跡に人間がいた時期はかなり長く、紀元前500年ごろから、西暦300年~600年ごろに及ぶと考えられています。 この論文共著者でフランス国立科学研究センターのAntoine Dorison氏は、APに対し「複数都市のネットワークには少なくとも1万人、多いときは3万人もの人が暮らしていた可能性がある」と語りました。排水路があったのも不思議ではありません。ヨーロッパによる植民地化以前の時代、メソアメリカの人々は低湿地を農耕に使えるよう調整して暮らしていたのです。