「103万円の壁」見直しで税収170億円減 熊本市試算
国会で議論が加速する「年収103万円の壁」の見直しについて、熊本市の大西一史市長は8日、市の税収が170億円減るとの試算を明かした。市財政への影響に懸念を示し「地方への影響を最小限にしていただくことを、強く申し上たい」と注文した。 定例記者会見で述べた。市は国民民主党が求める178万円へ引き上げなどを前提に単純な試算を実施。年間の個人住民税約540億円(23年度決算)のうち、31%にあたる約170億円が減収になるとの結果だったという。 大西市長は「働きやすい環境をつくることは好ましい」と見直し自体は評価しつつ、「しわ寄せをどう解決していくか。これこそ国会で真摯(しんし)な議論をしていただきたい」と要望した。【中村敦茂】