中日・小笠原慎之介、「やっぱり北谷に行くと新しいシーズンが始まるなと。何年経ってもいい緊張感でスイッチ入る」
ポスティングシステムを使用した移籍へ向け、米球団と交渉中の中日・小笠原慎之介投手(27)が7日、中部国際空港から自主トレ先の沖縄・北谷入りした。入団1年目のキャンプを過ごし、飛躍のきっかけをつかんだ地で約2週間のトレーニングを予定。プロでの”2つの原点”と言える地で新たなシーズンへ備える。 プロ生活出発の地で夢へと続くシーズンをスタートさせる。大リーグ移籍を目指す小笠原は、自身の野球人生において「2つの原点」となった土地で今年も初心に戻ってトレーニングを積んでいく。 「やっぱり北谷に行くと新しいシーズンが始まるなと感じます。何年経ってもいい緊張感で勝手にスイッチが入ります」 竜の1軍キャンプ地・北谷を初めて訪れたのはプロ入り1年目の2016年春。高卒新人投手での「北谷組」入りは1994年の平田洋(豊田大谷高)以来22年ぶりの抜てきだった。周りを見れば同じ投手には岩瀬、浅尾のレジェンドが顔を並べ、野手には荒木、大島と後の名球会員もいた。 キャッチボール相手がいないと岩瀬、浅尾から「キャッチボールしようよ」と誘われ、谷繁(当時監督)にブルペンの立ち投げの投球を捕ってもらった。18歳にとってすべてが新鮮過ぎる体験。「めちゃくちゃ緊張しました。だけどうれしかったです」。練習量の多さに面食らいながらも1軍でキャンプを”完走”し、「記憶がぶっ飛ぶんじゃないかってぐらい野球に没頭した」とプロで生き抜く大変さを1年目から思い知った。 北谷での2つ目の転機は5年目を終えた直後の21年の自主トレ。19年は7試合、20年は4試合の登板に終わり、「このまま終わってしまうかも…」との不安に駆られていた。一度は断られながらもわらにもすがる思いで大野に弟子入りを志願。「誰かに自主トレをお願いすることをしてこなかった。自分にとっては一つ大きな行動でした」。前年に沢村賞を受賞した先輩左腕とトレーニングをともにし、昨年までの4年連続での規定投球回到達につなげた。 2年ぶりの北谷での自主トレは約2週間を予定する。 「原点に戻るというか、悔いなく自分の今後の道へ進むとなれば北谷で自主トレをやるべきかなと」。24日の米東部時間午後5時(日本時間25日午前7時)が交渉期限の移籍については「現段階で話せることはまだないですね」と言及した。今はトレーニングに集中しながら天命を待つ。
中日スポーツ