インドPE市場、ブラックストーンやKKRが積極投資-20年前と一変
(ブルームバーグ): 米ブラックストーンは20年前、インドが次のフロンティアとなる可能性に賭けた。同社は2005年にムンバイにオフィスを構え、すぐに6社以上の少数株に多額の資金を投入した。
2年も経ずして、この巨大投資会社は撤退を余儀なくされ、幾つかの投資は評価額がほぼゼロになった。ブラックストーンのアジアにおけるプライベートエクイティー(未公開株、PE)責任者アミット・ディクシット氏は「インドに来たばかりで、学習中だった」と振り返る。
同社はその後、インドの責任者を交代させ、過半数の株式を握る投資にこだわった。新しいクラスの起業家を熱心に口説き、インドの投資先と世界各地のブラックストーン系企業とのつながりを支援した結果、インドで盛況なビジネスを構築するに至った。
現在、同社にとってインドは米国と英国に次いで3番目に大きな投資市場となっており、インドからのリターンは他のどの国よりも優れている。
力強い経済成長や膨大な数の人材予備軍が特徴で、規制の変更によりビジネスがしやすくなったインドは、PE企業にとって明るい市場だ。
中国への関心が薄れる中、外資系ファンドは人口世界一となったインドにより多くの経営資源を振り向けるようになっている。ただし、複雑な税制や上場企業買収を阻む規制といった課題には依然として直面している。
米コンサルティング会社ベイン・アンド・カンパニーによると、過去10年間で国際企業の対インド投資は5倍に増加。かつては同族経営の老舗企業で少数株を取得するのが関の山だったファンドが、今では話題のスタートアップの株式を大量に買い入れている。
また、株式市場の成長により、ファンドマネジャーが保有株を素早く売却し、投資家にキャッシュを還元できるようにもなっている。
参入ラッシュ
1990年代まで、インドは外資に対してほぼ完全に閉鎖的で、PEファンドが大型案件に関与することはほとんどなかった。今世紀に入ったころに規則が緩和されると、インドへの参入ラッシュが始まり、2006年までにほとんどの大手グローバルファンドがインドに拠点を置いた。