ウクライナ大統領、北朝鮮軍関与巡る西側の「無反応ぶり」を非難 北朝鮮外相は「勝利までロシアを支援」と表明
米政府は、ロシアに駐留する北朝鮮軍がまもなくウクライナ軍との戦闘に参加するとの見方を示した。これはブリンケン米国務長官が1日述べたもの。同長官はまた、北朝鮮軍の兵士1万人がロシアに派遣されたと述べた。 ブリンケン米国務長官 「北朝鮮軍のうち8000人が(ロシアの)クルスク地域に配備されている。これら部隊のウクライナ軍との戦闘への投入はまだ確認されていないが、今後数日中にそうなると予想される」 ロシアは自国領内に北朝鮮軍兵士が存在するかどうか、肯定も否定もしていない。 ウクライナ軍は今年8月にロシア領内に越境攻撃を行い、クルスク地域の一部の占拠を続けている。ブリンケン長官は北朝鮮兵士が交戦すれば、正当な軍事目標になると指摘した。「プーチン大統領は、ウクライナに自ら作った『肉挽き機』に自国兵士をどんどん投入してきた。今度は北朝鮮軍に頼ろうとしているが、これは明らかに弱さの表れだ」 北朝鮮は31日、大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射実験を行った。韓国政府は、北朝鮮はウクライナへ自国兵士を派遣するのと引き換えに、ロシアからミサイル技術を得る可能性があると指摘していた。 ウクライナのゼレンスキー大統領は先月13日に北朝鮮の関与について公に警鐘を鳴らしていた。そして31日のインタビューで同大統領は、それに対して同盟国から反応が「ゼロ」だったことを批判した。ゼレンスキー氏は、ロシアは西側諸国の反応を探っており、反応が薄ければ北朝鮮部隊を「増強するだろう」との認識を示した。 同氏はまた、中国も「沈黙」していることに驚いていると述べた。 ブリンケン氏もまた中国に対し、北朝鮮の行動抑制に向け影響力の行使を求めた。 こうした中、ロシアのラブロフ外相と北朝鮮の崔善姫外相が1日にモスクワで会談。崔氏は、北朝鮮の金正恩・労働党総書記がロシア軍を「揺るぎなく強力に支援する」よう指示したことを明らかにした。そのうえで北朝鮮は「勝利の日までロシアの同志たちと毅然とした態度を取る」と述べた。 西側の専門家らは、ロシアとの戦争に北朝鮮が参戦すれば、それは北朝鮮が中国への依存を減らした兆候だと指摘。中国を警戒させるだろうとみている。