虎のソナタ 倉敷マスカットスタジアム好相性なタイガース 1試合平均得点5・9…スカッと打って虎の花火大会見たい
25日に阪神―中日が行われる倉敷マスカットスタジアム。改めて、すばらしいネーミングだと思う。 【写真】阪神・岡田彰布監督、自らバット手に森下翔太へ異例の熱血指導 正式名称は、岡山県倉敷スポーツ公園野球場。1995年の開場時に、一般公募で岡山名産のブドウ、マスカット・オブ・アレキサンドリアにちなんで愛称がつけられた。なんたって、響きがいい。23日に佐藤輝明が「スカッといい当たりを打ちたい」と話したように、スポーツ紙としても紙面映えする球場だ。 われらがタイガースと好相性なのもいい。コロナ禍をへて4年ぶりの当地開催となったDeNA戦(○7―2)で勝利を飾った昨年を含め、2010年以降の直近10試合では8勝2敗。2桁得点での勝利が3度あって、1試合あたりの平均得点は5・9だ。そんなスカッと体験をした記者が現場にいる。虎番きっての野球小僧、須藤佳裕だ。18年に行われたヤクルト戦(○8―3)を現地で観戦していた。 「知り合いに誘われて行ったんですよ。ロサリオ、糸井が2者連続ホームランをかっ飛ばしたのを覚えていますね。みんなでビールで乾杯した動画も残っていますよ」 楽しそうだなあ。「地方球場には、普段と違う雰囲気があっていいですよね」という須藤には、5月14日に愛知・豊橋球場で行われた中日―阪神で見た光景がいまも心に残っている。 「年に1回の開催なので、中日ファンの熱気もすごかったです。外野席が芝生席で、開門と同時に席取り合戦が始まったんですよ。レジャーシートをバーって敷いていって。今ではなかなかないですからねえ」 開門ダッシュ。いまや小学校の運動会でもほとんど見かけなくなったなあ。外野の芝生席といえば、昔の西武球場(現ベルーナドーム)の名物だったが、20年を最後に姿を消してしまった。外野席なんて騒いでナンボという時代もあったくらいで、懐かしい。振り返れば、あの試合で中日の逆転勝利を呼び込んだのは、芝生席ならではの熱量があったからなのかもしれないなあ。 須藤は今回の倉敷遠征取材メンバーから外れているが、楽しみにしていることがある。岡山・創志学園高出身の西純矢の凱旋登板だ。コロナ禍では地方開催がなかった時期もあったので、21年の入団から5年目で初めての遠征帯同になる。