藤原ヒロシが語る新店「V.A.」と「タイムラグの面白さ」 「僕は未来にほしいものを買う」
――SNSを中心としたメディアの発達によって、消費行動にはどんな影響が出ていると思いますか。
藤原:かつてと比べると、今はモノも情報も使い捨て感がありますよね。その時だけの消費に偏っている感じ。僕の場合、未来にほしいものを買うんですよ。今は着る気分じゃないけど、これを5年後、10年後に着たいなと思って買う。基本、寝かせる。ただそれは、過去の情報が10年も経つと手に入らなくなっていくからこそ、面白かった。売っている当時はよく見たものが、10年後には「何それ見たことない」「いつの?」「どこの?」ってなるわけだから。でも今は10年経っても20年経っても、情報がずーっとネット上に残っているんですよね。
――検索すればすぐに、何年のどこのものか、分かってしまう。
藤原:情報に過去も未来もなくなって、みんな掘り起こしまくっているでしょう。そのせいで、寝かせることの面白さはだいぶ減ってしまった。なので、個人的には、過去においても未来においても、タイムラグがきちんとあって、そのことを楽しめるようになってほしいなと。そういう意味でも、「V.A.」はタイムラグの面白さがある、そういうお店になっていったらいいなと思っています。
■「V.A.」 オープン日:2024年12月15日 営業時間:10:00~20:00 住所:東京都渋谷区神宮前6-1-9 定休日:不定