藤原ヒロシが語る新店「V.A.」と「タイムラグの面白さ」 「僕は未来にほしいものを買う」
――この場所での印象的な思い出はありますか。
藤原:当時プラスチックス(Plastics)のトシちゃん(中西俊夫)とチカちゃん(佐藤チカ)と僕の3人でお茶をしていたら、すごい人だかりができたんですよ。プラスチックスってこんなに有名なんだと思っていたら、少し離れた席にジュディ・オングがいて、人だかりはそっちだった。ジュディ・オングも来るんだなと思って、あれはちょっとびっくりしましたね。
アニエス本人による書き下ろしロゴのアイテムも
――V.A.=VARIOUS ARTISTSという店名はどのように?
藤原:チームで話し合う中で、最初は源馬(大輔)くんが言ったのかな。「V.A.」って昔はコンピレーションとかのCDやアナログレコードでよく見ましたよね。いろんなアーティストの楽曲が入っているアルバム。その感じで、多種多様な人たちの集合を表す名前でいいなと思いました。最近は音楽の聴き方が大きく変わって、そういうアルバムに接する機会も減ってしまったのもあって、逆に新鮮かなと。
――カフェとショップの併設というアイデアはどこから?
藤原:最初は洋服屋の中で、パン屋とかドーナツ屋をやりたかったんですよ。「ドーバー ストリート マーケット(DOVER STREET MARKET)」って、基本的にどのお店も上層階に「ローズベーカリー」というカフェが併設されていますよね。でもニューヨーク店はベーカリーが1階にあって、中2階で「ナイキ(NIKE)」とかを見ていると、パンのいい匂いが漂ってくる。それがすごくいいなと思って、参考にしました。
――カフェ監修の山本さんやストアデザインを担当した荒木さんとはどんなことを話しながら、お店を作っていったんですか?
藤原:カフェに関しては、どんなメニューを出すかなど、全て山本さんにお任せしました。ストアに関しては、荒木さんは古いものを残しながら新しくアップデートしていくのが得意なので、今回も元の建物の構造自体は残してもらいたいってうのは伝えて、デザインを考えてもらいました。