かんぽ不適切販売問題 特別調査委が会見(全文5完)波風を立てない組織風土
リスク感度の低さは経営陣の資質によるものか
ダイヤモンド社:ダイヤモンド社の中村と申します。伊藤委員長にちょっとお聞きしたいんですけれど、概要の7ページにあるガバナンスのところで、リスク感度の低さに起因し、根本原因の追及と抜本解決を先延ばしにし、問題を矮小化する組織風土であったと書いてあるのですが、リスク感度の低さというのがいったいどこからきているのかという、何か構造的な要因がそこにあるのか。つまりリスク感度の低さというのは、単純に経営陣個々の資質ということなのか、その辺ちょっとお考えをお聞かせください。 伊藤:なかなか難しいところですけれども、これは簡単に、例えば公務員っていうか役所だったからとか、いろいろ簡単に割り切ってしまうわけにはいかないんですけれども、例えばなんか問題が発生したときに、その問題を深く追求して、1つのことがあったらなんか原因、あるいはほかにそういうことがないかというようなことを考えて、いわば波風を立ててでも徹底的に調査するという、そういう風土が非常に乏しい組織だなという、いろんな人に聞いてもそういう印象を持ちました。 波風を立てないように、要するに問題をあえて自分の手で顕在化しないで済むなら済ませたほうがいいなという、そういうことを、別に一番上がというのじゃなくてみんなが、下から上までそういう、これは全員がという意味ではないですけど、そういう風土。それはなんに起因するのか分かりませんけど、例えば長い間、役所であったこともあるかもしれませんし、組織自体がこんなに大きいということもあるかもしれませんし、あるいは民営化されて、一部民間になったけれども、自分の会社がつぶれるなんて思っている人は少なくとも今までいなかったと思いますし。そうしたさまざまな要素があるだろうと思いますけれども、そういうことの積み重ねとしてそういう組織風土であったというふうに考えました。 司会:よろしいでしょうか。17時から会社の記者会見が控えておりますので、最後にもうひと方。