あす12日から夜久野町「額田の祭り」 農作物を使った下ダシの仕上げ急ピッチ
京都府福知山市夜久野町の秋の風物詩、「額田の祭り」(額田区主催)が12、13両日、同地区一帯で開かれる。物語の一場面などを農作物を使って再現する「下ダシ(つくりもん)」は100年以上の歴史があり、毎年多くの見物客が訪れる。猛暑による材料不足の影響を受けながらも、地区内では連日連夜、作品の完成に向けて住民たちが急ピッチで作業を進めている。 下ダシをはじめ、西日本唯一といわれる「二階が回る山車」や太鼓屋台、御神木の巡行などからなる額田の祭りは、全国的にも珍しい祭りとされ、京都府と福知山市の無形民俗文化財に登録されている。 下ダシは1905年、地区の青年たちが五穀豊穣に感謝し、「川中島合戦」の光景を野菜で作り、それが地区全体に広がったと伝わる。近年では、昔話の一場面をはじめ、NHK大河ドラマやアニメ映画などを再現した作品を、同区内の5自治会がそれぞれ工夫を凝らして作り、祭りの呼び物の一つになっている。 祭りが迫った10日夜、同区内では下ダシ作りが佳境を迎えていて、奥自治会でも子どもからお年寄りまでが集まり、仕上げに向けた作業が進められた。 同自治会の下ダシ制作の責任者を務める衣川隼人さん(47)は「今年は猛暑の影響か不足する野菜も多く、知り合いにも声をかけまくって何とか材料を集めました。1カ月以上かけ、老若男女問わず地区のみんなで作り上げてきた。当日はたくさんの人に見に来てもらい、『こんなのまで野菜で出来ているのか』と驚いてもらえたらうれしい」と話していた。 下ダシの公開時間は12日が正午~午後10時、13日が午前8時~午後9時。御神木の巡行は13日午後1時30分から10時ごろまで。
児童も下ダシ展示 夜久野学園4、6年
同町高内にある小中一貫教育校・夜久野学園の4、6年生の児童計22人が11日の午前中、授業で作った下ダシを、額田にある民家のガレージへ展示するために訪れた。 児童たちは総合的な学習の一環で、祭りの歴史などについての授業を受け、今月に入ってから下ダシ作りをしてきた。作ったのは同学園のマスコットキャラクターの「つぶまろくん」と昔話に登場する「金太郎」。4年生がつぶまろくんの胴体を担当し、6年生が頭と金太郎の全身を作った。 6年生の足立柚希さんは「こだわりポイントは金太郎の表情で、大豆や小豆などの豆で表現しました。たくさんの人に見に来てほしいです」と話していた。 児童らの作品も12、13両日に展示される。