石井さやか ツアー初勝利「怖いから来ないで」から5年 DeNAコーチの父・琢朗氏が観戦
◇女子テニス東レ・パンパシフィック・オープン第2日(2024年10月22日 有明テニスの森公園) 【写真あり】DeNA日本シリーズ進出!父・琢朗氏へ「おめでとうございます!」 シングルス1回戦が行われ、予選から勝ち上がった世界ランキング279位の石井さやか(19=ユニバレオ)が世界158位の斉藤咲良(18=富士薬品)に6―1、6―1で快勝し、ツアー本戦2度目の出場で初勝利を挙げた。 11日の全日本選手権決勝でフルセットの末に競り勝った宿敵との再戦。第1セット第2ゲームから第2セット第3ゲームまで9ゲーム連取するなど圧倒し「東レは3回目の出場で、初めて本戦に進んだ。勝ててうれしい。自分がやったことは全日本の決勝と同じで特に変えていない。攻めていく。引かないことを意識した」と振り返った。 プロ野球で通算2432安打して名球会入りしている父・琢朗氏(54)はDeNAのコーチを務める。前夜に行われた巨人とのセ・リーグのCSファイナルステージ第6戦に勝利して7年ぶりの日本シリーズ進出を決めた。この日はスタンドから生観戦。試合後は「おめでとう」と短い言葉をかけた。 娘の少女時代は試合に頻繁に足を運んだが、14歳の時に観戦した試合で負けたことを機に「見に行くと負けるからもう行かない」と決めた。当時は娘も仁王立ちして熱視線を送る父に威圧感を感じており「怖いから見に来ないで」と呼応。日本一のタイトルを手にした今月の全日本選手権が父の前でプレーする約5年ぶりの試合だった。 日本シリーズが開幕する26日は、東レの準決勝の開催日。レギュラーシーズン3位からCSを制したDeNAと同様に、予選から勝ち上がってきた石井にとっては下克上を目指す戦いが続く。「一つでも勝てるように頑張りたい。横浜(DeNA)にも勝ってほしい」。一つでも多くの白星を重ねることが、日本一を目指す父への何よりのエールになる。親子で刺激を与え合いながら、勝負の世界で歩を進める。 ◇石井 さやか(いしい・さやか)2005年(平17)8月31日生まれ、東京出身の19歳。5歳でテニスを始め、9歳の時にウィンブルドン選手権を観戦してプロになる夢を抱いた。22年全日本ジュニアU―18シングルスで優勝。23年全豪オープンジュニアで4強入りし、同年3月にプロ転向した。24年全日本選手権で優勝。練習拠点は米フロリダ州IMG。右利き。身長1メートル75。