原発避難の末期がん患者に住居退去通告 大阪市の非道対応に批判続出
大阪市の隠れた本音とは
生活保護の打ち切りについて、新鍋さんの代理人弁護士で困窮者支援の現場にもたつ普門大輔さんは、福祉事務所が残した新鍋さんの生活保護のケース記録を調べた結果「都市整備局による避難者に対する住居明け渡しをアシストするために福祉事務所が連携を取って受給者を追い詰める構造が見えてきた」と話した。福祉事務所による生保打ち切り間際の「弁明の機会」において、弁護士が同席し新鍋さんの生活保護の廃止を行なうことの問題点を指摘すると、大阪市はそれ以降、生活保護打ち切りをまったく言わなくなった。 過去に大阪府内でケースワーカーを務めていた猿橋均さん(現在は大阪自治体問題研究所事務局長)は「大阪市は生活保護を減らすことばかりを考えている。各福祉事務所に警察官OBを配置、面接室の監視カメラ設置など嫌がらせとしか思えない」と語った。同市から受給者の就職支援事業を委託された民間企業に対し、1人の保護廃止につき約6万円の追加報酬が支払われていたという実態については21年に『しんぶん赤旗』も報道していた。 集会の最後に紹介された新鍋さんのメッセージには「追い出される前に、がんで死ねますように」という言葉があった。こんなことを避難者に言わせた大阪市はもはやまともな行政と言えまい。
吉田千亜・フリーライター