レッドブルのJ3大宮アルディージャ買収、さまざまな疑問「クラブカラーはオレンジから赤に変更される?」
【黒船の来襲はどんな影響を及ぼすのか?】 大宮のトップチームには、アカデミー出身の選手が多い。しかも、有望株が揃っている。昨シーズン途中に高校3年生でトップチームデビューを飾ったDFの市原吏音(りおん)は、1月のアジアカップでトレーニングパートナーに選ばれた。U-19日本代表にも選出されている。 また、来シーズンのトップチーム昇格が決まっている磯﨑麻玖(まーく)は、192cmセンチのサイズを持つ大型ストライカーだ。彼だけでなくU-15やU-16などの代表チームに、大宮はかねてから選手を送り込んでいる。 一方で、五輪代表や日本代表までステップアップしていったアカデミー出身の選手は、これまでのところ少数派となっている。ユースからトップチームへ昇格した奥抜侃志(かんじ)が、ドイツのクラブへ移籍後に日本代表へ選出されたのが唯一のケースだ。18歳から20歳の選手の成長速度を上げていくことは、クラブが長く直面してきた課題と言っていい。 トップチーム昇格後の選手たちがレッドブルのネットワークを活用して経験を積み、国際舞台で戦える選手になっていけば──クラブはひとつ上のレベルへ到達することができるだろう。 外資の経営参画は、大宮に限ったことではない。株式譲渡の比率はさまざまだが、複数のクラブが検討していると言われている。 いずれにせよ、レッドブルという"黒船"の来襲は、Jリーグに、日本のサッカーに、特大のインパクトを与えていくだろう。クラブ経営の新たなモデルケースとして、大宮アルディージャはピッチの内外で注目を集めていく。
戸塚 啓●取材・文 text by Totsuka Kei