「出世前」の若手選手の「球宴」、フレッシュオールスターゲーム
イチロー、新庄剛志らが活躍した1992年
フレッシュオールスター戦で活躍した選手が、のちに一軍のスター選手になった例は数多い。 1992年のジュニア・オールスターのウエスタン・リーグ選抜は、のちに日米で大活躍した選手が数多く選ばれていた。 ウエスタンのスタメンのうち3番遊撃手は現日本ハム監督の新庄剛志(阪神)、6番右翼は金本知憲(広島)、7番指名打者は中村紀洋(近鉄)、8番三塁手は田口壮(オリックス)、9番捕手は矢野輝弘(中日)、鈴木一郎(のちのイチロー、オリックス)が途中出場した。 実にのちのメジャーリーガーが4人、NPB監督が3人も出場していたのだ。 試合は7月17日、東京ドームで行われた。観客は21,000人。 8回に中村紀洋の代打で登場した鈴木一郎は大洋の有働克也の2球目を右翼に本塁打。これが決勝点となり、鈴木一郎はMVPを獲得した。首位打者7回、MVP3回など多くの賞を獲得したイチローだが、これが初めての表彰だといえよう。 イチローは翌1993年に福岡ドーム(現みずほPayPayドーム)で行われたフレッシュオールスターゲーム(この年から名称が変更された)にも、一番中堅手でスタメン出場したが、この年のイースタン・リーグの4番左翼手はルーキーの松井秀喜(巨人)だった。
清宮、村上、安田がそろい踏み 2018年
2018年のフレッシュオールスターゲームは青森県の弘前市運動公園野球場で9,715人の観客を集めて行われた。 このときのイースタン・リーグのスタメンは3番指名打者、清宮幸太郎(日本ハム)、4番三塁手、村上宗隆、5番一塁手安田尚憲(ロッテ)、この3人は同学年。前年のドラフトでは早稲田実業の清宮を7球団が1位指名したが、日本ハムが当たりくじを引き当てた。清宮を外した6球団のうち、3球団が村上、残る3球団が安田を指名した。村上と安田は清宮の「外れ1位」だったのだ。 清宮は4回にホームランを打っている。またこの試合でウエスタンの9番右翼手でスタメン出場した周東佑京(ソフトバンク)は、二塁打を含む2安打と活躍し、ともに優秀選手に選ばれている。