「中学受験」で子どもの“言語能力”が身につく理由 タブレット端末の学習では得られない事がある
■中学受験で身につく「言語能力」 中学受験では長い条件設定を正しく読み取り、その中から必要な情報を引き出す練習や、漫然と感覚的にわかっていることを言語化して抽象化する練習も行います。 まだまだ感覚的で、具体的なものでなければ理解しきれない子どもたちにとって、抽象的な事象を理解したり、言葉を使って抽象化したりすることは、思考するために必要な「言語能力」を鍛える訓練となります。 もちろん、小学校の学習でも行っていますが、進学塾では小学生には難しいとされるレベルの題材を使って訓練することで、より大きな成長につながるのです。
英語やプログラミングを習わせることも、それらに対する動機付けという面では大切ですが、小学生のうちに習ったことが、将来の武器になる可能性は非常に低いとも言えます。 それならば、小学生の間は親子できちんと会話したり、本を読ませたり読み聞かせをしたりといった、言葉を使った生活環境を大事にする方が、将来の武器になる可能性が高いといえるのではないでしょうか。 大人が子どもたちに「言葉があふれている」環境を与えることの価値が近年大きくなっていますし、今後もさらに大きくなっていくのではないでしょうか。
黒田 耕平 :希学園理事長兼学園長