【アイスホッケー】五輪最終予選、日本0勝3敗。 ①石田陸(イタリア・HCメラーノ)
「スピード自体は日本人のほうがある。 でも、プレーの頭の良さが違うんです」
11月上旬に行われたアジア・チャンピオンシップ。20歳台のメンバーで臨んだ日本代表は、最終戦ではカザフスタンに1-5で敗れたものの、韓国と中国に勝って2位で大会を終えた。 チームのキャプテンは、石田陸。東洋大学を出て2年目のDFで、年上の選手もいる中で今回の抜擢は異例ともいえた。個人的にはゴールこそ「0」だったものの、アシストは「3」。大会のベストDFも受賞している。 石田が今季からプレーするHCメラーノは、アルプスリーグ(オーストリア・イタリア・スロベニアの国際リーグ)の13のクラブのうち、11月14日現在で12位。今季、レッドイーグルス北海道より加入したFW中島照人(※中島はシーズン序盤で肩を負傷し、11月中旬に復帰)と、これから調子を上げてくるはずだ。 9月の五輪最終予選が終わり、石田はその足でイタリアのメラーノに赴いた。同じ部屋に住むのは、FWのスケート・スカルディ。日本代表とHCメラーノのヘッドコーチ、ジャロッド・スカルディの息子だ。「大きい街ではないですが、住みやすいところですよ」。石田の初めての海外生活。まずは順調に進んでいるようだ。 「アルプスリーグはバスで移動して、そのまま試合なんです。こないだの遠征は、4時間半でしたかね。ちょうど釧路から苫小牧あたりの時間ですが、やっぱり公式戦だと、ちょっと違うんです」 「スピード自体は、日本人のほうがある。でも、プレーの頭の良さは、こっちの方が上回っています」 序盤戦を戦ってみて、石田の心に変化が生まれている。 「アルプスリーグはいいリーグですし、メラーノの人もあたたかい。でも、いつまでもここにいたらダメなんじゃないかなって。来季は、仮に違う国のリーグに行けなかったとしても、アルプスリーグの違うチームに行くことを考えています」 イタリアに住んで、まだ2カ月。だが、石田は安住の地を求めていない。今の自分の力を伸ばしてくれるチームはどこなのか。そこを常に考えることが「海外でプレーする」意味なのだろう。