「100億投資しても、効果が全然出ない企業も…いったいなぜ?」御社の「DXが大成功する」解決策はたった2つだ そもそもの大前提として「まずやるべきことは?」専門家が解説
特にシステム構築を伴う取り組みなどについては、すでに大量の予算を消費してしまっている場合もあるかもしれません。「あと数カ月で完成」という取り組みをやめることは未練が残るかもしれません。 しかし、それも「サンクコスト」と割り切り、「キャッシュの消失を最小化する」という基準で追加の投資をしないことが賢明です。 そして、これは経営のみができる意思決定でもあります。 ■たしかに「IR的な効果」もあるけれど…
もちろん「守りのDX」を手がける理由は、「ボトムライン(当期純利益)の効果」以外にも、いろいろあるはずです。 「IR的に有効である」「優遇税制の資格が得られる」など、企業によってさまざまでしょう。経済産業省の「DXレポート」で焦燥感をあおられた企業もあるかもしれません。 あるいは、あからさまに言わないまでも、「DXに取り組んでいることを対外的に宣言したい」といった理由も目にします。 このような理由を一概に否定するつもりはありませんが、投資額次第では株主視点においては看過できないものでしょう。
DXへの取り組みやデジタル関係への積極的な投資は、たしかにIT業界系のメディアなどで好意的に取り上げられることもありますが、それが経営にどれほど寄与するのかについては、なんとも言えません。 「DX銘柄」に選定された企業の株価が上昇する傾向にあるといった噂も、寡聞にして知りません。 DXを「絵に描いた餅」にしないためのアイデアの2つめは、「ボトムラインの効果」をいったん捨てたうえで、「大胆な目標」を設定してみるというものです。
■【アイデア2】「大胆な目標」を設定してみる 冒頭でも述べたように、「守りのDX」では、「業務プロセスの効率化」をはかることがメインの活動となります。 たとえば、「顧客への問い合わせ対応に必要な業務時間を2割減」「サービスのコストを3割減」といった目標が設定されます。 この目標を「現状定めている2~3割削減」というレベルではなく「1万分の1」「コストゼロ」といった思い切ったものにしてみるのです。 あるいは、「顧客からの見積もり依頼や納期などへの回答を、現在の1万分の1の時間にする」といったものでもよいでしょう。またサービスのコストをゼロにするというものもいいかもしれません。