【脳とコンピュータを接続した男】”念じるだけ”でパソコンが操作できる…!人類史上初「ニューラリンク」被験者第1号に会いに行ってみた!
数々のイノーベーションを実現させてきた世界的企業家、イーロン・マスク。彼の悲願ともいえる技術が「ニューラリンク」である。脳にチップを埋め込むことで、脳とコンピュータを接続するという、画期的な試みだ。 【写真】脳に1024本の電極を縫い付けて…被験者男性「驚きの日常生活」はこちら “思考する”もしくは“念じる”だけで目の前のパソコンを操作できるようになることをイーロン・マスクは目標に掲げており、すでに臨床試験が始まっている。 今回、日本のメディアとして初めてニューラリンクを実際に脳に埋め込んだヒト臨床試験の被験者第1号、ノーランド・アーボーに直接インタビューすることに成功した。これまでもいち早くニューラリンクの実態を日本に紹介してきた筆者(ケロッピー前田)が、現場を訪れたものでしかわからない最新のニューラリンク事情を速報としてお伝えする。
“考える”だけでパソコン操作
「はじめまして、私はノーランド・アーボーです」 アーボーは、そう日本語で出迎えてくれた。彼は日本のアニメが大好きで、いまはパソコンアプリで日本語を勉強中という。彼に会うために向かったのはアリゾナ州、乾燥した大地に強い日差し、サボテンが似合うアメリカの地方都市だ。 その中心地フェニックスには全米最大規模のバロー神経学研究所があり、アーボーはその施設でニューラリンクが開発した手術ロボットによる脳チップの埋め込み手術を受けた、人類最初の人物である。 8年前、アーボーはダイビングの事故で脊髄を損傷し、肩から下が麻痺している。今年の1月末、ニューラリンク第1号誕生のニュースでは、その正体は秘密だったが、3月20日(アメリカ現地時間)、ニューラリンクのX.comアカウントで彼の名前とその成果が公表された。 その映像では、ニューラリンクのエンジニア、ブリス・チャプマン氏の解説のもと、アーバーが考えただけでカーソルを操り、パソコンのチェスゲームをプレイしてみせた。ニューラリンク創業者イーロン・マスク氏は、アーボーが埋め込んだ第1号型を「テレパシー」と名付けていた。続けて、マリオカートを念ずるだけで操作する動画も公開され、彼の存在は広く世界に知られるようになった。