どうなるNext GIGA【3】GIGA端末はChromebookへの切り替えが進む
GIGAスクール構想で児童・生徒1人に1台ずつ整備されたコンピューターは、機材更新の時期を迎える。早いところでは今年度、多くの自治体では2025年度から新しい端末に切り替えていく必要がある。国は2023年度の補正予算で2661億円を拠出して都道府県に基金を造成し、そこから各自治体に補助金を出す。現在およそ900万台ある端末の約7割を2年間で更新する計画だ。 【画像】すべての図版を見る GIGAスクール構想の第2期となる「Next GIGA」が当初の環境整備と異なるのは、端末調達のスキームだ。自治体ごとではなく、都道府県単位で仕様を決めて共同調達することによりコストを圧縮する。都道府県には、全ての市区町村が参加する会議体を設置した。ここで各自治体の状況や要望を調査し、それに基づいて共通仕様を作成する。既に仕様を定め、年内に業者の選定に入る自治体もあるもようだ。
Chromebookが増えそう
学習者用端末は、搭載OSによって各社のWindowsパソコンとChromebook(ChromeOS)、アップルの「iPad」の3つに分けられる。それぞれのシェアは、Chromebookが約4割で、WindowsとiPadが3割ずつとされる。Next GIGAでは、この割合が大きく変わりそうだ。 MM総研が2024年8月に実施した調査によると、端末更新に当たってOSを切り替える自治体が12%もあることが分かった(図1)。「検討中もしくは未定」の24%も含めると、最大で3分の1以上の自治体が現在とは異なるOSを選ぶ可能性がある。 MM総研によると、教育委員会からは「Windowsパソコンの起動に時間がかかる」「OS更新に時間や手間がかかる」といった声が聞かれ、Chromebookへの移行を検討する材料になっているようだ。それに加えて、共同調達になったことをきっかけに同じ自治体の他校とOSをそろえたり、小中学校で異なっていたOSを統一したりした結果、OSを変更するケースがあるという(図2)。 具体的には、Windowsを採用する自治体の21%が変更を検討しており、移行先はChromebookが多い。逆に、Chromebookから他OSへの乗り換えは非常に少ない。調達予定台数を回答した自治体が選択したOSを見ると、ここでもChromeOSが57%と過半を占めている(図3)。Chromebookを供給しているNECは、「新モデルで2割程度の販売増を目指す」という。こうした状況から推測すると、端末更新後はChromebookのシェアがさらに拡大しそうだ。