1年目から大成功! 欧州、今季のベスト補強ランキング1~10位。強烈なインパクトを残した男たち
9位:アルテム・ドフビク(ウクライナ代表) 生年月日:1997年6月21日 所属クラブ:ジローナ(スペイン) 移籍金:775万ユーロ(約10.9億円) 今季リーグ戦成績:36試合24ゴール8アシスト 最前線で体を張るストライカーにも高い戦術理解度と足元の技術が求められる現代サッカーにおいて、アルテム・ドフビクはその才能を如何なく発揮している。 2023年夏の移籍市場で、ドニプロ(ウクライナ)からジローナへステップアップしたドフビクは、初挑戦となったラ・リーガでゴールを量産した。 リーグ終盤戦までビジャレアルのアレクサンデル・セルロートとゴール数を争っていたが、ドフビクは最終節にハットトリックを達成。ゴール数を24まで伸ばすことに成功し、ライバルを抑えて今季の得点王に輝いている。ジローナが今季、レアル・マドリード、バルセロナに次ぐリーグ3位に躍進するのに大きく貢献した選手の1人だ。 彼の魅力は、なんといっても「柔」と「剛」の両方を持ち合わせていることにある。身長189cmの恵まれたフィジカルを活かし、「ターゲットマン」としてボックス内で強みを発揮することはもちろん、ポストプレーでチームに貢献することが出来る。また、大柄な選手ではあるがスピードがあり、随所で見せる足元の技術も高い。強さに加えて、「しなやかさ」を持ち合わせたストライカーであることがスペインで成功できた要因かもしれない。 そんなエースFWは、今夏の移籍市場で注目されている選手の1人だ。スペインメディア『アス』は、アトレティコ・マドリードがドフビク獲得に関心を持っていると報じている。来季、クラブ史上初となるUEFAチャンピオンズリーグ(CL)に臨むジローナのイレブンにドフビクの名前はあるのだろうか。
8位:マルクス・テュラム(フランス代表) 所属クラブ:インテル(イタリア) 移籍金:フリー移籍 今季リーグ戦成績:35試合13ゴール13アシスト 移籍初年度からタイトル獲得の原動力となったマルクス・テュラムは、今季のベスト補強の一つに数えられるべきだろう。 ボルシア・メンヒェングラートバッハ(ドイツ)でプレーしていたテュラムは、昨夏の移籍市場でインテルへ移籍。今季はラウタロ・マルティネスと2トップを組み、公式戦46試合に出場して15ゴール14アシストを記録している。 特筆すべきは、そのラウタロとの補完性の高さだ。26歳のフランス代表FWは、『CBS Sports Glazo』のインタビューで「ラウタロは世界最高のストライカーの一人だ。彼は賢い選手だから、その隣でプレーするのは簡単だよ」と話している。 同インタビュー内で、テュラムがエースとの共闘を「僕たちはお互いを補い合うコンビ」と表現している点も印象的だ。同選手は、ゴールやアシストといった数字に残るものだけでなく、フリーランニングやポストプレーといった献身的な動きでラウタロのプレーを助け、よき相棒となった。 大一番となった第33節の「ミラノ・ダービー」では、ミドルシュートを叩き込んで勝利に貢献。これによりインテルの3シーズンぶり20回目のスクデットが決まり、来季のユニフォームには、燦然と輝く「セコンダ・ステッラ(2つ目の星)」が付けられることになった。 これらの活躍が評価されて、同選手の市場価値は急激に上昇中だ。ドイツ時代の市場価値は浮き沈みが激しかったが、インテル移籍後は右肩上がり。移籍前の3200万ユーロ(約44.8億円)から、現在の市場価値はその約2倍となる6000万ユーロ(約84億円)まで伸びている。