小学生の息子の「学校に行きたくない」訴えに、蘇ってきた“私の暗い過去”<漫画>
2024年2月29日に出版されたコミックエッセイイ『親子で不登校になりました。』(竹書房)。 【マンガ】『親子で不登校になりました。』を読む 本作は、最上さんの息子さんをモデルにした「ねむ君」が小学校3年生で不登校になってからの親子の様子や、最上さん自身がかつて不登校だった経験が、同じ悩みを抱えた人から聞いたエピソードなどを織り交ぜながら描かれています。 最上さんは子ども時代、シングルマザーだった母親からネグレクトを受け、弟と支え合いながら暮らしていたのだそう。そんななか小学校では同級生からいじめなどがあり、不登校になったといいます。 本記事では本作から第2話を紹介。最上さんに、ご自身の不登校の経緯や、復学を決意した理由などを聞きました。
同級生のいじめよりつらかったこと
――息子さんが「もう死にたい」「学校に行きたくない」と言い出したとき、すぐに「行かなくていいよ」と言えたのは、ご自身が不登校になった経験があったことが大きいのでしょうか? 最上:それはありました。「休ませたら、このままずっと学校に行かなくなるかもしれない」と思ったのですが、私も子どもの頃に本当に苦しい経験をしたことがあるから「そんなことよりも、すぐ休ませて安心させよう」と思いました。私の場合は、クラスメイトからのいじめなどがあったのですが、不登校になった理由は他にもありました。 ――最上さんが不登校になった原因は何だったのでしょうか。 最上:クラスメイトからのいじめを、担任の先生が見て見ぬふりをしたことのショックが大きかったです。 でも、そこで家庭に少しでも安心感があれば違ったのではないかと思います。母が私のことを可愛がってくれたり、外で嫌な目に遭ったとしても「あなたは人から不当に扱われるような存在じゃないよ」と伝えてくれたら、不登校にはならなかったかもしれません。それくらい、親子の関係性はすごく大事だなと思います。
自ら復学を決意「私がしっかりしないと」
――不登校になったとき、最上さんのお母さんはどんな反応だったのですか? 最上:何も言わなかったです。「どうして行きたくないの?」とも聞かれなかったし、「学校に行きなさい」とも言われず、あまり触れられませんでした。母自身に余裕がなかったので、どうしようもなかったのだと思います。 ――最上さんは不登校になってから、自分で居場所探しをしたり、最終的には自ら復学を決意しています。自分の意思をしっかり持って行動できたのはなぜだと思いますか? 最上:弟の存在が大きかったと思います。母がアルコール中毒でネグレクトだったので、「私がしっかりしないといけない」と思っていました。家の中でも、それ以外の場所でも、私が行動を起こさないと何も変わらないと思っていたんです。弟は受け身な性格だったので、母に「お酒を飲まないで」と意見したり、ぶつかるのはほとんど私でした。「弟を守らなきゃ」という気持ちがすごく強かったです。それを原動力にして、「自分がより良い方向にいくようにこうしよう」と考えて行動していました。