ホンダ「CRF1100Lアフリカツイン」とスズキ「GSX-S1000GX」最新ツアラーバイクの違いを徹底比較
さらにCRF1100Lアフリカツイン アドベンチャースポーツESでは、フロントホイールを21インチから19インチに変更。ワイドなフロントタイヤも採用し、オンロードの走行性能を向上させていることも注目だ。ほかにも、アッパーミドルカウルの形状を改良。ライダーが体に受ける前方からの走行風の流れをコントロールすることで、長距離走行時などで疲労を軽減する効果も狙っている。 ■GSX-S1000GXのプロフィール
一方のGSX-S1000GXは、前述のとおり、スズキのGSX-S1000シリーズに属する最新モデルだ。ネイキッドモデルの「GSX-S1000」や、スポーツツアラーの「GSX-S1000GT」を擁するのが、このシリーズ。大きな特徴は、フルカウルのスーパースポーツ「GSX-R1000(現在は生産終了)」の998cc・4気筒エンジンを搭載していることだ。もともと、このエンジンは、長年のレース参戦などで培った技術を投入し、最高出力197PSものパワーを発揮する高性能な仕様。とくにワインディングやサーキットなどのスポーツ走行、レース・ユースなどに定評がある。
一方、GSX-S1000シリーズでは、同系のエンジンを搭載するが、最高出力を150PSに抑え、そのぶん、低回転から高回転域まで全域でトルクフルな特性を実現。市街地やツーリングなどでも扱いやすいことが特徴だ。 そんなシリーズ最新作となるGSX-S1000GXは、スズキによれば、スポーツツアラーとアドベンチャーモデルを融合させたクロスオーバーバイクという位置付けとなる。いわば、オンロードでの快適性を重視したスポーツツアラーと、オフロードでの高い走破性を持つアドベンチャーモデルの「いいとこ取り」をしたモデルだ。
外観は、スポーツバイク並みの性能を体現したアグレッシブなシルエットを採用。それに、アップライトな乗車姿勢を組み合わせることで、ツーリングでの快適性も追求する。また、ウインドスクリーンは、3段階の高さ調整が可能。標準装備のナックルカバーなどと相まって、高い防風効果も実現する。 ■電子制御を採用したサスペンション 足まわりでは、スズキの2輪車で初となる電子制御サスペンションを採用。「S.A.E.S.(スズキ アドバンスド エレクトロニック サスペンション)」と呼ばれるシステムを搭載し、速度や路面状況、ブレーキによる車両の姿勢変化に応じて、サスペンションの減衰量やプリロードを自動調整することを可能とする。