娘が結婚し、孫が楽しみな「65歳夫婦」です。もし孫が生まれたら、年にいくら使うことになるでしょうか?ある程度貯金すべきですか?
子どもが結婚すると、孫が生まれてくることを楽しみにする方もいるでしょう。また、孫のためにさまざまな費用負担をする予定の方もいるかもしれません。しかし、人によってはあまり孫のために出費をしすぎると、自身の生活に影響が出る可能性もあるため、注意が必要です。 孫にかける平均費用や、老後の平均生活費を知っておくと、費用の出しすぎを予防できるでしょう。今回は、孫にかける平均費用やシニア世代の平均貯蓄額などについてご紹介します。 ▼夫婦2人の老後、「生活費」はいくら必要? 年金額の平均をもとに必要な貯蓄額も解説
孫にかける平均費用はいくら?
ソニー生命保険株式会社が50~79歳の方を対象に令和5年に実施した「シニアの生活意識調査」によると、1年間で孫のために使った平均費用は10万8134円でした。月額にすると、約9011円です。価格帯別の割合で見ると、「5万円~10万円未満」が27.5%と最も高く、次に18.0%で「3万円~5万円未満」の結果でした。 さらに、同調査で何のために使ったのかを聞いたところ、上位5つは以下の通りです。 1位 おこづかい・お年玉・お祝い金:66.2% 2位 一緒に外食:49.7% 3位 衣類などファッション用品:33.4% 4位 おもちゃ・ゲーム:32.8% 5位 本・絵本:23.9% シニア世代の多くは、孫へのおこづかいや外食などのために、年間10万円ほどを使用しているようです。ただし、調査結果はあくまでも目安になります。実際に自分で孫のためにお金を出すときは、貯蓄額も考慮しながら無理のない範囲におさえることが大切です。
シニア世代の平均貯蓄額はいくら?
金融広報中央委員会の令和5年度「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]」によると、50代から70代までの平均貯蓄額は以下の通りです。 ・50代:1147万円 ・60代:2026万円 ・70代:1757万円 貯金額だけ見ると、孫のために使うお金としては余裕があるように見えます。しかし、老後は退職をすると収入源は基本的に年金のみになるため、足りない分は貯蓄からの支出が必要です。 総務省統計局の令和5年「家計調査報告(家計収支編)」によると、65歳以上の夫婦のみ無職世帯は平均収入が月24万4580円でした。 対して、平均支出は税金や社会保険料などの非消費支出が月3万1538円、食費や衣服代といった消費支出が月25万959円です。収入だけでは、平均で月3万7916円の不足分が発生するとのことです。不足分は貯蓄から出すことになります。仮に30年不足分を貯蓄から補うとすると、1364万9760円が必要です。 不足分を補ったうえで、孫へのおこづかいや外食代を支払うと考えると、人によっては平均額と同じだけ費用を負担することは難しいケースもあるでしょう。