【有馬記念】スタニングローズ高野師自信あり「引退レースにして今までで一番いい」
有馬記念といえばラストランの歴史。ドウデュースだけでなく、GⅠ2勝のスタニングローズ(牝5歳)もこの一戦を最後にターフに別れを告げる。前走のエリザベス女王杯で久々にビッグタイトルを獲得して復活劇を演じたが、最後の最後でどんなドラマを起こすのか-。初めて管理馬を出走させる高野友和教師(48)=栗東=が、その思いを語った。 ◇ スタニングローズはファン投票で21万9306票(9位)を集めて、堂々の選出。ドウデュースと同じくラストランに高野調教師は熱い思いを口にした。 「ここまで一生懸命に頑張ってくれました。一頓挫ありながらも復活して、故障する前よりもいい状態ですごいレースに出走できることは本当にすごいことです」 11日の1週前追い切りは栗東坂路を4ハロン53秒2-11秒9で力強く駆け上がり、「体はある程度できている。引退レースにして、今までで一番いい状態」と自信の表情だ。 一昨年の秋華賞を制してから白星がなかったが、前走のエリザベス女王杯で鮮やかな復活劇を見せてGⅠ2勝目を挙げた。「すべてがかみ合いましたね。能力を出し切ってくれました」と振り返る。 昨年のヴィクトリアマイル後に左前脚の腱周囲炎で長期休養を余儀なくされるなど、紆余曲折があった現役生活もいよいよフィナーレ。特に思い出深いのは、2歳時の新潟2歳S(5着)とサウジアラビアRC(3着)の勝てなかったレース。デビュー前から期待が大きかったぶん、「連(2着)にも絡めず、競馬は厳しいなと思いましたね」と勉強になったと振り返った。 2015年にショウナンパンドラが出走を予定していたが、直前で回避となった苦い思い出もある。松田国厩舎での調教助手時代に担当馬の出走経験もなく、初めての有馬記念に意気込みは人一倍は強い。 「競馬ファンから始まって、その時代から特別に楽しみにしていたレースです。(ファン投票で)うちの馬が選出されてありがたいですね。中山を苦にすることはないですし、この舞台でも強さを見せてくれると思っています」 これが最初で最後のグランプリ。牝馬は過去10年で3勝2着3回と活躍中だ。女王に返り咲いたスタニングローズが、最後にもうひと花を咲かせる。(北池良輔)
◆スピード十分ラスト12秒5…スタニングローズは、栗東坂路2本を駆け上がる高野厩舎のルーチン調教。2本目は加速ラップを刻みながらスピード感十分に4ハロン58秒8-12秒5を計時した。高野調教師は「牧場とチームでやっていますから、牧場にお願いして疲れをリカバリーしてもらい、前走時よりもいい状態です。これまでの実績から中山コースもこなせると思います」とうなずいた。