「今まで以上に来なくなる」通学や観光、大鰐線廃線の衝撃はどこまで… 青森県・弘南鉄道
RAB青森放送
弘南鉄道大鰐線が2027年度末で事実上の廃線となる運行の休止が発表され、衝撃が広がっています。 利用者だけではなく観光や地域経済に大きな影響を及ぼすことが懸念されます。 ★高校生 「すごくびっくりです(通学で)小学校から乗っているので考えられない」 ★中学生 「中学1年生から大鰐線があったので東奥義塾に行きやすくなっていたし、交通手段としてもすごく便利だったのでなくなると思うと悲しい」 弘南鉄道が大鰐線について2027年度末で事実上の廃線となる運行の休止を発表したことを受けて、利用者からは驚きや寂しいといった声が数多く聞かれました。 中でも大きな影響を受けるのが通学で利用している高校生で、大鰐線の沿線には弘前高校など4つの高校があります。 このうち弘前学院聖愛では、中学と高校の1割に当たる53人の生徒が大鰐線を利用しています。 ★弘前学院聖愛高校 小野寺仁副校長 「たいへんショックです」 「登下校の交通をどのように継続して確保していくかというのは、責任を持って対応していかなければならない」 大鰐線の廃線は観光にも大きな打撃です。 大鰐町の複合施設「鰐come」では、これまで利用客の増加に向けてさまざまな観光企画を行ってきました。 ★プロジェクトおおわに事業協同組合 相馬康穫 副理事長 「最近外国人の観光客がひじょうに多いので、インバウンド需要外国の皆さんも日本の古い電車に乗って弘前から大鰐に来るという方が増えてきたので、このタイミングでひじょうに残念に思っています」 大鰐線が発着する中央弘前駅は中心商店街の土手町エリアにあります。 土手町は8月に老舗百貨店の「中三」が閉店するなどにぎわいを失っており、駅までなくなると地元経済への影響が懸念されます。 ★中土手町商店街振興組合 平山幸一 理事長 「土手町の中でも中土手町は美術館がそばにあって、真ん中を大きい道路が走っているのでいろんなイベントをやる時でも会場になって、そういった時に電車を使って来てくれる方たちがいた」 「やはりそこでは今まで以上に人が来なくなってしまうのかなという懸念もあります」 今後、利用者の交通手段確保に加え観光や経済への対策が求められます。
県議会でも…
一方、今日の県議会の一般質問では自民党の成田議員が、弘南鉄道大鰐線の廃線方針が示されたことを受け今後の県の対応を質しました。 宮下知事は「交通事業者としては苦渋の決断であり、重く受け止めざるを得ない」と述べました。 ★宮下知事 「県としては大鰐線利用者の交通手段を確保することを第一義として安全運行が確保されるとともに、弘南線が今後とも安定的に運行されるよう引き続き沿線市町村と連携してまいります」 成田議員は代替交通の検討など、近隣住民への影響が最小限になるよう求めました。