2024年版 「本格派」の高性能オフロード車 10選 道を選ばない欧州 “最強” SUV
6. イネオス・グレナディア
長所:力強いパワートレイン、優れたオフロード性能 短所:舗装路での操作性が悪い、ドライビング・エルゴノミクスが理想的ではない 英国の化学大手イネオスの自動車部門が手掛けたグレナディアは、荒野を征服することに関しては最高峰に位置している。そのオフロードでの能力は、デザインに大きな影響を与えたランドローバーに匹敵する。 古典的なオフローダーの哲学に則り、ラダーフレームシャシーとライブアクスルを採用。これに洗練されたBMW製エンジン(3.0L 6気筒のガソリン or ディーゼル)、ZF製8速AT、トレマック製デュアルレンジ・トランスファーボックスが加わり、高いロッククロール性能を発揮する。 260mmをわずかに下回る最低地上高、3つのディファレンシャルロック、35.9度のアプローチ&デパーチャーアングルを備えたグレナディアは、期待通りオフロードで無敵の走りを披露してくれる。困難な地形でも手に汗握ることはほとんどない。 オフロード性能と無骨なユーティリティを特徴とするキャラクターだが、同時にソフトな一面もある。室内は広く、徹底した扱いやすさとラグジュアリーが融合している。 AUTOCARはまだ長期間の試乗ができていないが、最新のディフェンダーよりもメルセデス・ベンツGクラスに近いスピリットを持っていることがわかった。有能で運転しやすいマシンだが、アスファルトの上ではダイナミクスと洗練性に欠ける。
7. フォード・レンジャー・ラプター
長所:卓越したオフロード性能、ラリーカーのようなジャンプが可能 短所:公道では大きすぎる、トラックなのに積載量が小さい 初期のレンジャー・ラプターは玉石混交の存在で、シャシーこそダカール・ラリーに挑戦できそうなほどの能力を持つが、2.0Lディーゼルは非力で、シャシー性能に見合うものではなかった。最新型は、従来のオフロード性能はそのままに、最高出力292psの3.0L V6ターボを搭載してパワフルになった。 コーナーを素早く駆け抜けるようなクルマではないが、ちょっとしたスポーツセダンを驚かせるのに十分なパンチがあり、その荒々しいエンジン音も耳に心地よい。ただし、大型車であることに変わりはなく、オフロードタイヤとロングトラベルのサスペンションを装備しているため、正確なハンドリングと安定感に欠ける。また、10速ATの制御が少し優柔不断でストレスを感じることもある。 最大の美点はアップグレードされたサスペンションである。フォックス製の電子制御アダプティブダンパー「ライブバルブ」は、どんな地形もスムーズにこなしていく。舗装路では適度にしなやかな乗り心地を実現し、オフロードでは他のSUVを置いてけぼりにするようなハイスピードで走破することができる。 レンジャー・ラプターの真のポテンシャルを引き出すには、無人の採石場やグラベル・ラリーのステージに持ち込む必要がある。日常では無用の長物かもしれないが、それでもラプターには心を惹かれるものがある。