「Apple Intelligence」でできること 英語版を使って見えた、次世代「AIアシスタント」の実力
Siriが「もっと話しやすい相手」に
では実際に機能を見ていこう。 ビジュアル的に一番目立つのは「Siriの変化」だ。従来は丸いボールが表示されていたが、Apple Intelligence後には「画面の周囲が虹色」で表されるエフェクトになる。 英語での対話はより滑らかになった。発声が良くなった、という話ではない。それよりも、「考えながら話しかけても答えてくれやすくなった」というべきだろう。 人間は意外とちゃんと話していないものだ。考えがまとまらなくて言いよどんだり、「えーっと」などと挟んでしまったりするものだ。 最近の音声アシスタントはその辺にも一定の配慮はしているのだが、「すみません分かりませんでした」といわれることも、間違った動作をしてしまうこともまだ多い。 Apple Intelligence版のSiriは、さらにその辺に強くなった。 「んー、いいディナーの店を知りたいんだけど……、東京の……、渋谷駅あたりで。シーフードがいいかな」くらいの語りかけを(もちろん英語で)やっても、ちゃんと認識してくれる。 ちょっとしたことだが、音声だけでなくタイプでも使えるようになったのは大きい。呼び出す時は画面下部のバー(ロックを外す時にスワイプする白いもの)を2回タップすればいい。
意外なほど便利な「要約」
次に特徴的なのが「要約」だ。メールやiPhone上での通知をまとめて表示してくれる。 このうち、通知の要約表示はうまくいかなかった。 というのが、普段日本語で使っているアプリやメッセージのまま、UIだけ英語にして使っていたためだ。通知の内容が英語でないとうまく働かないため、通知の要約や、「パーソナルコンテクスト」と呼ばれる、個人の活動履歴を活用したSiriの機能は、完全に便利さが分かるところまで使えていない。アメリカの反応を見る限り、まだまだ発展途上のようだ。それに、活動履歴の蓄積も当然必要だろうから、この辺が「便利」といえるまでにはまだしばらくかかるのではないか、と思う。 メールやiMessage本文の要約はシンプルだ。 本文の一番上に「Summarize(サマリーを作る)」ボタンが出てくるのでタップするだけ。英語のメールであれば要約を作ってくれる。この時、何度かリプライを重ねたメールだった場合、リプライの内容も含めて「これはどんな会話か」という形で要約が作れる。日本語のメールの場合には要約が作られない。 メールなどの要約機能はGoogleのGeminiにもあり、Gmailで試すことができるのだが、要約の内容・分かりやすさでは、若干Apple Intelligenceの方が勝るように感じた。 これは確かに、日本語で使えるようになれば便利だろう。 文章を書くための「Writing Tools(作文ツール)」もある。 これは基本的に、「テキスト情報のある場所ならどこでも機能」する。 以下の画像は、Xアプリの上でティム・クックCEOのポストを「よりくだけた感じ」で書き直してもらったものだ。英語がネイティブでない筆者の目からの理解だが、十分な品質であるように思う。 文章を要約したり内容を「公的な感じ」にしたりと、いかにも生成AIが得意そうな内容だ。