「Apple Intelligence」でできること 英語版を使って見えた、次世代「AIアシスタント」の実力
米Appleは10月28日に、iPhone・iPad・MacのOSを刷新し、Apple Intelligenceを正式公開した。 【画像を見る】Apple Intelligenceを日本で使ってみた(ただし英語版)【全22枚】 ただ現状はアメリカ英語のみでの公開となっており、日本語など他の言語では使うことができない。 実際にどんなことができるのか? どんな制約があるのか? 実際に英語で長期間使ってみたので、その感想をお伝えしたい。 日本語対応は、早くとも2025年4月以降。同じような機能が使えるようになるはずだが、その時に思いを巡らせながらお読みいただきたい。
言語は「English」設定で。iPhoneからMacまで利用可能
Apple Intelligenceを使うにはいくつかの条件がある。動作対象機種については、あえて後述する。その上でまず最新のOSにアップデートし「言語」の設定を「English」にする。OSの設定内に増えた「Apple Intelligence & Siri」という項目から登録し、しばらくすると使えるようになる。現状は、日本語設定のままでは利用できない。 Apple Intelligenceには多様な機能がある。特定の機能ではなく、Apple製品に搭載されるAI関連機能の総称、といったところだ。 実際には、Apple Intelligence枠で入っているAIとそうでないAIがあり、「そうでないAI」は過去から利用できたものだったりする。 ただ、Apple Intelligence枠なのに「実は日本でも使える」ものがあったり、機能の一部はApple Intelligenceではなく、そこからの応用はApple Intelligenceだったりと、多少混乱しやすいところはある。 とはいえ、これは予定されている機能・言語対応が一通りそろうまでのことであり、この先では「Apple製品で動いているAIはみんなApple Intelligence」というようなくくりになっていくのだろう。そのくらい、いろんなところにAIを機能として組み込んでいこうとしているのが分かる。 詳細な動作対象機種は本文の最後に譲るが、Apple Intelligenceの特徴は、「同じ機能がMacにもiPadにもiPhoneにも搭載されていること」だ。他社もAIサービスの横展開を進めているが、オンデバイスAIの場合、プラットフォーム共通化が進んでいるAppleが有利、というところはあるだろう。今回も全プラットフォームで試してはいるが、画面を含めた説明自体はiPhoneで行う。 もう1つの特徴は、Apple Intelligenceと名がつく機能の場合、提供される機能のほぼ全てがオンデバイスAIによる処理、ということだ。プライバシー重視故の選択で、利用情報はクラウドに蓄積されることがなく、AIの学習にも利用されない。 例外的に自社の閉鎖型クラウドである「Private Cloud Compute」を使うことはある。ただそれも負荷が大きい処理に限られているし、一般的なクラウドAIとは性質が異なる。 そのため、同じAppleアカウントで利用されているMac・iPad・iPhoneの間でも、「AIの利用状況や学習結果は共有されない」。あくまでデバイスごとのものとなる。しかし、メールにしろ写真にしろ、同じ個人なら共通の情報はMacにもiPhoneにもあるだろうから、「同じ内容から学習したAIは、同じような結果を返す」ことになり、大きな問題は生まれない……という立て付けになっている。