シャープ、液晶事業縮小へ 不振の堺工場、生産停止を視野
シャープが液晶ディスプレー事業を縮小する方向で検討していることが21日、関係者への取材で分かった。不振が続いており、大型液晶パネルを製造する完全子会社の堺ディスプレイプロダクト(SDP、堺市)の生産停止を視野に入れている。拠点を減らし、財務基盤の改善を急ぎたい考え。親会社の台湾・鴻海精密工業の意向が焦点だ。 シャープは2024年3月期の連結純損益が2年連続で赤字となる見通し。赤字の主因であるSDPの売却先を模索してきた。ただ、難航しており、生産停止が選択肢になる。5月にも発表する中期経営計画に盛り込む方針。決定には鴻海との調整が必要で、曲折もありそうだ。 国内ではSDPの他に白山工場、亀山工場、三重工場があり、車載やタブレット向けの中小型液晶パネルを製造している。3拠点は維持するとみられるが、詳細は今後詰める。 SDPはシャープが約4300億円を投じて09年に完成させた巨大拠点。好調だった液晶テレビの世界需要拡大を見込んだが、韓国勢が有機ELテレビの量産化に成功し、市場を奪われた。