竜王戦七番勝負佳境へ…「対応力」の藤井聡太竜王と「工夫」の佐々木勇気八段、ハイレベルの戦い
勝ち星で藤井竜王が一歩リードしているが、畠山八段は「全体的に見て、藤井竜王側に傾いた内容ではない。何をやってくるか分からない佐々木八段に、竜王は警戒心を持ったかもしれません」と語る。
第4局で藤井竜王が勝てば、4連覇に向けて一気に加速する。佐々木八段が勝利すれば、シリーズはもつれそうな雰囲気になる。福崎九段は「佐々木八段が次局以降、どんな工夫を見せるか。竜王がそれをどう阻むか。どのくらい時間を残して終盤を迎えられるかも含め、それらがカギになると思います」と予想する。
今シリーズの行方を左右する第4局は15、16日、大阪府茨木市の複合施設「おにクル」で行われる。
名産品に舌鼓…あわら対局「勝負めし」公募、計38品用意
竜王戦初開催となった福井県あわら市の第2局では、“食の宝庫 あわら”をアピールしようと、勝負めしを公募し、対局のために開発された新作を含む計38品が用意された。
同市はイチゴやカキなど様々なフルーツが年間通して実り、近隣の三国港(坂井市)で水揚げされる海産物もそろう。対局実行委員会は、対局者が食べる昼食やおやつ、ドリンクを同市内の飲食店などを対象に公募し、準備を進めてきた。
厳選メニューから両対局者がともに食べたのが越前おろしそばだ。冷たいそばを辛味のある大根おろしと一緒に食べる福井名物で、藤井竜王が1日目、佐々木八段は2日目に堪能した。
佐々木八段は4度あるおやつに、特産のサツマイモ「とみつ金時」を使ったチーズケーキを4連続で注文し、強烈な印象を残した。
立会人の深浦康市九段は17年前、王位戦七番勝負で同地を訪れた。「当時と比べて、勝負めしへの関心が非常に高くなっている。竜王戦を通して、福井県やあわら市の魅力が全国に伝わるといい」と話していた。
主 催=読売新聞社、日本将棋連盟特別協賛=野村ホールディングス協 賛=東急グループ、UACJ、旭化成ホームズ、あんしん財団、日本中央競馬会
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