ジャパンディスプレイ、見る角度によって違う映像の「2ビジョンディスプレー」を開発
ジャパンディスプレイ(JDI)は、視聴角度によって異なる映像を流せる「2ビジョンディスプレー(2VD)」を開発したと発表した。中国や欧州勢などの自動車メーカーが手掛ける電気自動車(EV)への納入がすでに決まった。2025年から量産し、30年までに1千億円超の売上高を目指す。 2日、都内で会見して披露した。オートテック事業部長の福永誠一執行役員は「当社は年間250万枚の車載用ディスプレーを出荷しているが、このうち約50%を2VDに切り替えたい」と語った。 2VDは、視聴する角度により1つのディスプレーで2つの異なるコンテンツをリアルタイム表示できる製品だ。解像度や明るさも従来品と比べ約2倍に高めた。独自アルゴリズム(計算手順)による「デュアルタッチ技術」は、運転席側と助手席側のどちらから操作が行われたかを識別し、それぞれ操作できる。既存の液晶ディスプレーと同様に前工程は国内の茂原工場(千葉県茂原市)か石川工場(石川県川北町)で生産し、後工程は中国拠点の活用を検討している。次世代有機ELディスプレー「eリープ」と組み合わせた提案も進めていく。民生用途としても拡販する。