現在の“三刀”はなに?『ワンピース』ゾロが所持した「名刀たち」と大剣豪への道
■ワノ国の剣豪が所持した伝説の黒刀
「エニエス・ロビー編」終盤、海軍の精鋭200人と激しい戦闘を繰り広げるなかでゾロは、思わぬ天敵に遭遇してしまう。 “サビサビの実”の能力者であるシュウに刃を握られてしまい、雪走が一瞬でサビつき破壊されてしまうのだ。漫画ではたった1コマで描かれた雪走のその無惨な最期に、多くの読者が衝撃を受けたことだろう。 ローグタウンで譲ってくれたいっぽんマツを思い出しどこか悲哀を覗かせながらも、舞台は「スリラーバーク編」へと突入する。ちなみに雪走はその「スリラーバーク編」終盤にて、ゾロが丁寧に供養する描写が見られた。 ゾンビ化したワノ国の伝説の侍・リューマが所持していた黒刀に目をつけたゾロは「その刀おれが使ってやる!!」と意気込み、リューマに挑む。互角の筋力でぶつかり合い建物を激しく損壊させながら繰り広げられた戦闘は、わずか5分の間にリューマが事実上の敗北を宣言したことで決着となった。 ゾロの手に渡るのならば本望だろうと譲り受けたその黒刀「秋水」は、“大業物21工”に位列する紛れもない名刀であった。 雪走よりも重量のある秋水は、巨人族よりはるかに大きいオーズのパンチを逸らし、想定していないほどの巨大な斬撃を生み出す“じゃじゃ馬”として、ゾロの向上心を掻き立てたのである。 「ワノ国編」中盤までその歩みを共にし多くの敵を打ち倒してきたゾロだが、秋水を使用した明確な戦闘描写のなかでも「パンクハザード編」での対モネ戦は、強く印象に残っている。 女性は斬らないと思われていたゾロが、モネに放った一刀流の技・“大辰撼”。振り下ろされた秋水はモネの身体を真っ二つに両断し、壁や床まで荒々しく破壊するのだ。 確かな威力を持った一撃だが覇気は纏っていなかったため、自然(ロギア)系の能力者であるモネには意味のない技のはずである。しかし、ゾロの殺気に気圧されたモネは、覇気を使われていたら死んでいたという恐怖心から身体の再生ができず、戦意喪失という形で決着を迎えるのである。 圧倒的に格下であるモネに対してだからこその幕引きだが、この時の秋水を振り下ろすゾロの迫力は圧倒的で、読者に強烈な印象を残した。