冷蔵庫に残ってしまいがちな“海苔の佃煮”の活用レシピ!簡単でおいしい“海苔の炊き込みご飯”のつくり方
料理家・フードコーディネーターの尾身奈美枝さんが毎回、余った食材をおいしく食べきるレシピを提案します。今回のお題は、なかなか使い切れない“海苔の佃煮”。新米がおいしい、この季節ならではのレシピです! 【写真を見る】冷蔵庫に残ってしまいがちな“海苔の佃煮”の活用レシピ!簡単でおいしい“海苔の炊き込みご飯”のつくり方
■“海苔の佃煮”はなぜ余る!? おいしいけれど、なかなか最後まで食べきれないご飯の友といえば“海苔の佃煮”だ。中途半端に残った瓶は、いつの間にか冷蔵庫の奥深~いところへ。保存がきくとはいえ、一度開封したら2週間以内には食べきらなければならないとなると、これがなかなか難しいのだ。 「どうしようと思いながらも放置しちゃって、ずっと冷蔵庫にあるんですよね(苦笑)。甘くて味が濃いので、料理にも使いにくいし。海苔と相性のいいアボカドを和えるとおいしいですが、パッと思いつくのはそれくらいかしら……」 尾身さんですら、手を焼いてきたとは!そこで今回は、長年の課題と向き合うべく、海苔の佃煮を徹底攻略してもらうことに。すると、思わぬ発見があったというのだ。 「旨味を含んだ海苔がたっぷり入っているので、実はだしのかわりに使えるんです!」 ■ふわっと海苔のいい香り! というわけで、尾身さんが教えてくれたのが、“海苔の炊き込みご飯”。土鍋で炊き上げたご飯は、蓋を開けるとふわっと海苔のいい香り!そこにたっぷりの釜揚げしらす、生姜と青じそのせん切りをのせて味わうと、至福のおいしさなのだ。 「意外な使い方でしょ?お米を炊くだしは、海苔の佃煮を水で溶いて、酒と塩を加えただけ。海苔の佃煮には砂糖だけでなく、醤油やかつお節なども入っているので、旨味たっぷり。めんつゆみたいにのばして使えるんです」 土鍋で炊けばお焦げもまたおいしく味わえるが、手軽に炊飯器で炊いてもかまわない。海苔の風味は海の幸と相性がいいので、薄切りにしたタコを一緒に炊き込んでも合うというから、アレンジする楽しさもありそうだ。 「海苔の佃煮は、1瓶の量がだいたい150g程度。この炊き込みご飯をつくれば40g近く使い切れます。一度つくればきっと、このご飯が食べたくて海苔の佃煮を買っちゃいますよ!」 □“海苔の炊き込みご飯”のつくり方 ◇材料 (4~5人分) 米:2合(300g) 海苔の佃煮:大さじ2と1/2 A : ・ 水:280ml ・ 酒:大さじ2と1/2 ・ 塩:小さじ1/3 釜揚げしらす:50~60g 生姜のせん切り:10g(好みで多めに) 青じそのせん切り:適量 (1)米を研いで水気をきる 米は研いでザルに10分ほどあげて、しっかり水気をきる。 (2)海苔の佃煮を溶かす 土鍋にAを合わせ、海苔の佃煮を加えてよく混ぜて溶かす。水気をきった米を入れ、15分ほど浸水させる。 (3)土鍋で炊く 蓋をして弱めの中火にかける。土鍋から蒸気が上がってきたら、吹きこぼれない程度にシュッシュッと湯気が出る火加減に弱めて、10分ほど加熱する。火を止めて、そのまま10分ほど蒸らす。 (4)しらすと薬味をのせる 蓋を開けて、しらす、生姜、青じそをのせる。ざっくり混ぜて、器に盛り分ける。 --------------- ――教える人 「尾身奈美枝 料理家・フードコーディネーター」 料理家・フードコーディネーターとして、テレビ番組を中心に、新聞・雑誌など様々なメディアに出演。料理番組の金字塔『料理の鉄人』の裏方を務め、「フードコーディネーター」 という職種を世に広め、定着させた先駆け的存在でもある。「きょうの料理」 (NHK)「あさイチ」(NHK) などの番組に多数出演。“エコ”をテーマとした新しいレシピ提案を発信し続けている。 --------------- 文:大沼聡子 撮影:海老原俊之
大沼 聡子