【韓国ドラマ】40代という大台を目前にした女性たちの友情、恋愛、人生を描いた作品が心に刺さるワケ
3人で解決していく“宿題”、そして各回冒頭シーンの意味
彼女たちの“明るさ”とは対照的に描かれる重いテーマが、第1話・開始3分後の葬儀のシーン。20年来の付き合いがある家族同然の親友3人組のうちの1人が亡くなることを前提に物語が進んでいくのです。 出だしから、あまりにも衝撃的な展開。「一体、何があったの?」とイッキにドラマの世界へと引きこまれたかと思えば、彼女たちの1人に“余命半年”が宣告されて……。 ありふれた、しかし、とてつもなく悲しい状況の中で彼女たちは選びます。 できる限り楽しい時間を過ごすことを。大切な相手を尊重することを。 人生の伏線を回収するように、残された宿題を解決していきます。 「父と母に健康診断を受けさせてほしい」 「(残された恋人に)週に1回、サムギョプサルを食べさせてほしい」 そんなお願いをする友に「週に1回は、さすがに無理よ」と文句を言いつつも、忘れないよう付せんに書いて貼っていく律儀な親友たち。逝く者、残される者、お互いがお互いの意思を尊重し、最後まで納得のいくように支え合う姿と感情を丁寧に描いています。
各話の冒頭に挿入される、回想シーン。何気ない会話のこともあれば、3人にとっての“ちょっとした事件“だったりするのですが、それがそのエピソード回の切ない伏線となって、物語に引き込まれていきます。彼女たちの人生の一瞬一瞬の愛おしさを、視聴者も共有しているような気分にさせてくれるのです。 「人生にとって一番大切なのは、誰かと過ごした時間である」。 「別れは、始まりでもある」 そんなことを何度も噛みしめたくなるドラマです。
作品概要
『39歳』 全12話 Netflixシリーズ「39歳」独占配信中
ライター 中川薫 Kカルチャー・旅・お酒・漫画・音楽・スポーツ観戦好きのライター。ドハマりしたK沼が旅沼に直結し、年間十数回は海外へ。マイブームは「海外の大衆食堂をめぐること」。2023年は釜山&ソウル(韓国)、バンコク&ブリーラム(タイ)、ホーチミン&ハノイ&ダラット(ベトナム)、コロンボ(スリランカ)、リヤド&ジェッダ(サウジアラビア)で爆食。2024年はソウル、ソウル、台湾、ソウルへ。最近は念願の「漢江ラーメン」を食べました。漢江のたもとで食べるラーメンは、控えめに言って最高!