【韓国ドラマ】40代という大台を目前にした女性たちの友情、恋愛、人生を描いた作品が心に刺さるワケ
そして、全員39歳。40代を目前に控えた微妙な心の揺れや、恋愛模様、友人関係や親子関係などが、おかしくも切なく、時には身を切るような切実さで描かれる場面も。恋愛に人生が押し切られるような関係や貧富の差が強調されることはないけれど、40代を目前にした女性が何を選択し、何を切り捨て、彼女自身の人生を貫いていくのかという“アラフォー女性のリアル”がしっかりと描いている作品は、韓国ドラマでは新機軸。そのリアルさは、世代に関係なく、女性の心に刺さりまくっているようです。
配役が鉄壁の布陣
主人公の3人組を演じるのは、『愛の不時着』のソン・イェジン、『賢い医師生活』のチョン・ミド、『海街チャチャチャ』や『D.P. -脱走兵追跡官-:シーズン2』のキム・ジヒョン。しかも、3人とも同じ1982年生まれというキャスティングの徹底ぶり。 それぞれが主役を張れるビッグな役者なうえに、リアル同級生(2021年の撮影当時、3人はガチで39歳)たちは阿吽の呼吸で、親友同士にしか出せない雰囲気を漂わせていました。 ソン・イェジンについては言わずもがな、チョン・ミドも、キム・ジヒョンも、ミュージカルや演劇でキャリアを積んできた実力派女優。揺らぎ世代の女性たちの繊細で複雑な感情を、それぞれが丁寧に表現していました。
タイトル“39歳”の意味について
もうすぐ40歳の主人公たちは、全員未婚。それなりに社会的な立場があり、稼ぎも少なくはないけれど、老後を1人で生きていくことを考えると、そこまで余裕があるわけでもない(ミジョは除く)。30代前半までは、結婚や出産という人生の選択肢に対して思い悩んだり、年齢的なリミットを感じていた時期もあったはずだけど、39歳の今は、ある程度、折り合いがついている。 そんな3人は、まわりから見たら十分大人だけれど、親友同士で居酒屋やカラオケに集れば、学生時代から何も変わっていない、ただのミジョとチャニョンとジュヒ。着たいものを着て、食べたいものを食べ、行きたいところに行く。恋愛だってバリバリ現役で、まるで10代のようなガールズトークを繰り広げます。「あの男はダメ!」と叱ったり、「(彼は)いいと思うんだけどな」と後押しをしたり。部屋飲みのまま、雑魚寝したり、時にはクラブで踊りまくることも。自由! 楽しそう! ただ、年齢を重ねるごとに、身体や心の悩みも増え、“老いへの不安”を意識する時期でもあります。人生の折り返し地点は確実に近付いていて、“両親の老後”とも向き合わなくてはいけないわけで。それでも、自分に残された人生をどう生きるかについて、心のまま、自分の信念に基づいて、選び取れるようになった頃とも言えるんですね。それが、このドラマで描かれる“39歳”の姿なんじゃないかと思います。